心理カウンセラーの眼!

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貧民の帝都東京とアメリカ強盗貴族

2014-10-02 16:01:28 | 現代日本および世界

こんにちは、のほせんです。

木曽の御嶽山が噴火して、たくさんの登山者が亡くなられています。

慎んでご冥福をお祈りもうしあげます。

それにしてもエライ学者や研究者という人種が役立たずなことがよくわかりました。

噴火救援隊のマスクも用意していない軍隊も信じられないですが。・・

さて前回は、
中世日本の山椒太夫(さんしょうだゆう)のような地方豪族が
人商人(ひとあきびと)=奴隷商人たちとむすんで、

遊女や塩業や鉱業に使役するための労働力を確保していたことをおはなししました。

奴隷とちがって、いわゆる民百姓や漁夫、山人たちは、どうかといえば

現代でいう「一次産業」にかかわって、

ともかく自然を相手にその日を暮らしていたわけです。

そんなかれらの暮らしは、
頭上の権力者が誰かに替わろうと、江戸時代どころか昭和の中頃までつづき、

その生業が、かくれもない日本の主力産業でもあったわけです。--

-- さて、時代を近世末期にうつしてみれば、

慶応4年に徳川慶喜が江戸城から退城すると、

大名・旗本は江戸を捨て、 商人たちも家財をつんで脱出。

大混乱の江戸は人口が50万人に半減し廃市状態となり、

とりのこされた貧困層は騒然たるなかでたちまち飢餓に直面する。

勝海舟と西郷隆盛の「江戸城明け渡し」美談が美談ではですまされないことになった。

そのうちまもなく帝都東京にあらたに人があつまってきたものの、実情は

車夫よりも貧しい人々の大群が新都のあちこちにたむろして辛うじて残飯で露命をつないでいたという。
(詳しくは「貧民の帝都」塩見鮮一郎著を)

下って西南戦争後の明治は、
“ 富国強兵・軍備拡張路線、政商保護、増税の「松方デフレ」で困窮者は急増し” 、

帝都の貧民スラム化は解消されるどころではなかった。

維新は庶民にとって、江戸時代よりもさらに生き辛い時代を開帳したことになる。

困窮問題は日本中に孤児・貧児を生みだしたが、

岡山孤児院の創設者・石井十次氏、大原孫三郎氏らのような篤実な個人の尽力によっていくばくかの救済がなされたにとどまる。

その後の帝国日本は日清、日露戦争を体験して、はじめて兵士の精神疾患を生みつつ

産・軍・官だけがうるおい、社会の歪みを拡大させつつ大正、昭和へと帝国主義の道を、

すなわちシベリア出兵では米騒動を生み、 満州事変を契機に困窮者を開拓団に誘い、太平洋戦争、敗戦と破綻し、

戦後に一億総貧民の時代を迎え、焼け跡に悲惨な孤児たちをうみだすこととなる。・・・

-- 中世日本にかぎらず、奴隷は、金銭で売買される。 すなわち「商品」そのものである。

なかでも、
世界中でもっとも悪辣にして悲惨をきわめたといわれる大西洋をまたぐ「奴隷貿易」では、

西アフリカからアメリカ大陸につれてこられた人々が、奴隷として綿花栽培農場に買われてきた。

家畜以下の扱いをうけたアフリカン奴隷はやがて、南北戦争時に英国を味方につけるための、

いわゆるリンカーンの欺瞞にみちた「奴隷解放宣言」によって、まるで悪夢のうちに解放されることになる。

それは結果的に南部側の「奴隷財産」の無償放棄によって、

黒人はいったんは家族も生活手段も住む場所も何もないままに、

南部が壊滅的な打撃にあえぐ廃墟の中で放り出され、そのまた吹き溜まりにたむろすることになった。

さらにすぐに南部では、解放された奴隷の賃仕事がもっと効率のよい大規模機械農場化にとって代わられ、

もはや社会に行き場のないまま使い捨てられた。

一方、北部では、奴隷より「使い勝手のいいヨーロッパ移民」の「賃金奴隷」が生みだされ、

ヨーロッパ産業革命時の暗黒の生活同様に、過酷な労働環境がシフトされたのだった。

“ 強盗貴族 ”とよばれる米国支配階層は、

南北戦争での鉄道、石炭、銑鉄、石油等、軍需物資の価格高騰の恩恵により、

戦争にかかわる金融サイドの急成長とともに誕生した。 それが

J.P.モルガン(金融)、ロックフェラー(石油)、カーネギー(銑鉄)、J.グールド(鉄道)などで あり、さらに

モルガン、ロックフェラーの巨大資本は、米国レッセフェール(自由競争)のうたい文句の陰で、

じつは真逆の「国家財産の賦与や流用」というまさに強盗犯罪をやってのけたといわれている。

似たようなことは、おそまきながら日本でも小泉・竹中時代からおこなわれていて、貴族かどうかはともかく、

「グローバル」「自由競争」「民営化」の念仏を唱えながら抜け目なく堂々と強奪されている。・・

はるか前に米国において、競争を排除して独占体制を敷くことによって、やがて

世界を支配する元祖・強盗貴族をみずから完成させていた。・・

「奴隷」から「移民労働者」へ、「より大規模に、より効率的な」生産をめざす強盗貴族たちは

「合理化」思想のもとに、「時給制」を発明して「ヒト」から「時間を買う」ことを世界システム化した。

「賃金奴隷」も現代では「正規」から「ヒセイキ」「キセツ工」「ハケン」と分別されて、

さらに生活基盤をも失いはじめるなか、

育児、福祉、接客サービス業ではあまりの不当労働・薄給による「人手不足」現象を呈して慢性化さえしている。

日本のマスメディアによるおバカな「グルメブーム」のフレームアップは

意図的に消費者から就業実態を隠蔽して、困窮就業者システムを助長するものでしかない。

それが、「世界基準のグローバルシステム」だと喧伝し、

やがては社会常識にまでまつりあげたマスメディアの罪は、ゆるされるものではない。

グローバルシステムをかざすウルトラ資本が墓穴を掘るまで、

「人でなし」たちのために心が崩壊寸前の個々人が、はたして堪えられるのだろうか?・・・
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