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(実録)会社倒産&自己破産のススメ

コトの顛末と関連する法律・理論をお伝えすることで、この道をお考えの方々の心の負担が軽くなるよう願っています。

春、「破産手続開始」を申立てたが…

2011-10-18 | 【免責までの道程】

今年2011年3月、私が提出した債権者名簿を基に
代理人弁護士(以下、先生)が受任通知を発送してから約6カ月後のことでしたが
私の“最初”の「破産手続開始申立書」が先生により裁判所に提出されました。

“最初”には意味があって、当初の先生の目論見は
会社は破産等の処理はせず放っておいて私個人に対してのみ
それも「同時廃止」を得ることだったそうです。

会社を何もしない理由は費用が安いから、と聞いたような気がします。

店舗を返却しその活動を止めてしまえば
特に登記簿がそのままになっていても“それだけのもの”なのだそうで
法人税などの請求書は2、3年発行され続けるものの
宛先不明でいずれは止まるので実質的な問題は何もなし…とのこと。

お客様には閉店のご挨拶と
今後のメンテナンス工場に関するご案内を発送済みでしたしドアに張り紙もしました。

考えてみれば、開店もほとんどのお客さまにとってはいつの間のか
この場所に店ができた、程度の認識だったはずですから
その逆の閉店もこんなものと思えばそうなのでしょうが
いくら安いからとは言え、代表取締役としての個人名以上に
20年近くその名を名乗ってお世話になった会社に対して何の事後処理もせず
ただ放り付けておくのですから、心の中は申し訳なさで一杯になったことを覚えています。

ところで、春に提出した私個人の破産手続開始の申立ては
手続上、自動的に免責の申立てにもなります。

破産手続開始申立書を裁判所に提出しますと
通常、約1カ月後には「破産申尋」という裁判官との面接があって
支払い不能になった状況などについて質問を受けます。
(破産申尋は行われないこともあります)

そして、その数日後には破産の決定が出され、めぼしい財産がない場合は
同時に「破産手続廃止」、つまり破産が認められること(いわゆる破産宣告)になります。

また、裁判所によっては破産手続開始申立書を午前中に提出すると
その日の夕方には破産手続廃止が出る所もあるそうです。

これを「同時廃止」といい、自動的にすぐに続いて免責手続が開始されます。

私のように弁護士を代理人に選任している場合
申立てからこの破産の決定・廃止そして免責の申立てまで
全て先生が行いますので本人は何もする必要がありませんでした。

このように、事件(裁判所の扱いは全てこう呼ばれます)によって
また、裁判所や担当の裁判官によって手続の流れは様々なようです。

ところで私の場合、先生はこうした個人のみの破産手続開始の申立てをして
同時廃止に持ち込みたかったそうですが
最も大口の債権者である銀行(実際はその債権を購入した子会社)が
自宅の売買(後日触れます)に関して異議を申し立てたため
裁判所が会社の破産手続も申請した上で管財事件としての扱いになったと聞かされました。

当然、こうなると同時廃止にはならず「異時廃止」と呼ばれ
また、管財事件としての20万円に上る予納金も必要になります。

管財事件とは、基本的に法人はそう扱うようですが、財産がありそうだとか
私のように債権者から異議が上がったとか、免責不許可事由の疑いがあるようなケースに
裁判所が選任する弁護士が管財人となり、第三者的立場で破産時に残った財産を換金、分配したり
裁判官に免責許可に関する意見書を出すべく調査が必要な案件のことです。

この場合の第三者は、結果とすると債権者の利益に繋がりますから
味方である代理人弁護士とは違い、私にとっては敵と言ってもよく
話はややこしい方向に向かうことになってしまいました。

ただし、放り付けておくことを申し訳なく思っていた会社の処理、つまり、法人が登記の上で
きちんと抹消されるのですから、これはこれで気持ちの上ではすっきりすることでしょう。

春3月から3カ月が経った梅雨の6月、まずは会社の破産手続開始の申立てを追加で行い
その後さらに約1カ月が過ぎた夏本番の7月、個人&会社の両方の破産宣告
つまり「破産手続廃止の決定」の書面が先生宛に届いたのです。

そして話は以前の投稿に繋がっていきます。

 

 


「破産手続開始」は、いわゆる“破産宣告”

2011-10-09 | 【免責までの道程】

今年6月に弁護士が裁判所に提出した「破産手続開始申立書」により
裁判所から「破産手続開始通知書」が届いたのは約1カ月後の7月のことで
これは弁護士宛に送られてきますのでそちらから控えをもらうことになります。

添付されていた「破産手続開始」の裁判所の書面は次の通りです。

 

平成23年(フ)第〇〇号

決定

(私の住所と名前)

主文

債務者(私の名前)について破産手続を開始する。

理由

一件記録によれば債務者が支払い不能の状態にあることが認められる。
よって、主文の通り決定する。
なお、この決定に併せて、下記のとおり定める。

1.破産管財人             (弁護士の住所と名前)

2.財産状況報告集会・計算報告集会・破産手続廃止に関する意見聴取の
ための集会の各期日   平成23年10月〇〇日午前11時

3.免責についての意見申述期間  平成23年10月△△日午前11時まで

4.免責審尋期日  平成23年10月〇〇日午前11時

 

平成23年7月××日 午前10時

〇〇地方裁判所 〇〇部   (裁判官の名前)

これは正本である。

平成23年7月××日  (裁判所書記官の名前)

 

ちなみに、一番最初の「(フ)第〇〇号」は事件記録符号と呼ばれ
「フ」は破産事件を表わします。

この書面によって私が破産状態にあることが裁判所によって認められ
いわゆる“破産宣告”を受けたことになりますが、専門的にはこのように
「破産手続開始を決定する」と言うようです。

10月〇〇日には破産手続をすべて終了して
すぐに続いて免責手続を開始して免責審尋を行いますという内容で
ここで初めて担当の裁判官と面接しますのでその顔を見ることができると聞いています。

また、免責は個人にのみ存在し会社にはないため
その部分の文言が削除された書面が会社宛にも届いています。

もちろん、私が会社の借金の連帯保証人として個人保証をしていたからに他なりません。

すべて自己資金、または個人保証を入れずに借り入れた資金で経営していたのであれば
会社が破産すれば、株主はその出資金が戻らず
債権者はその債権分の回収ができなくなってすべて終わってしまいますので
それらの方々には法律的に泣き寝入りを強要することになります。

つまり、私に連帯保証人としての請求が上がることはないのですから
もしそうであれば今回のように個人としての破産や免責は必要ないのです。

このため、会社の資産を個人に移しておいて会社を潰すなんてこともよくある話で
これを計画倒産と呼ぶようです。

しかし、世の中の多くの零細企業がそうであるように、不動産などの担保を差し入れない限り
代表者は銀行の借り入れに対してほぼ100%連帯保証をしているのですから
会社から回収できない借金(債務)はそっくり、私に請求されてきます。

以前は私の実父にも連帯保証人になってもらっていましたが
まだ経営状態がそれほど悪くない頃、高齢を理由に銀行に申し出て外してもらっていますので
イザこうした事態になってみるとこれは結果的に“不幸中の幸い”でした。

こうして連帯保証人として請求されても、お金や預金、不動産等のめぼしい財産がない場合
支払不能の状態であることを裁判所が認める破産宣告を受け、その上で税金などの一部を除いて
全ての借金の支払いを法的に免除して(チャラにして)もらうことが免責です。

つまり、まだ支払不能状態を認定してもらっただけですから
借金がなくなった訳ではないのです。

これが、個人破産の目的は
ひとえに、この免責を獲得することにあると言われる所以です。

いよいよ“すんなり行けば”、私も90%以上の確率といわれる免責が
今月中にも許可されるはずですが、逆に10人に1人は不許可になるわけで、さてどうなることやら…。

 

****左サイドバーの「自己破産の流れ」を参考にご覧ください****