今更な話だけど、ペースメーカーとケータイの関係

ケータイの電波が心臓ペースメーカーに悪影響を与えるか、っていう問題について、結構熱く語られた時期もあったんだけど、今は、ほとんど影響がないって言うことで落ち着いてますね。病院内でのケータイメール解禁も広がっているなかで、現実的なのは「もしシールドが不完全な機器があるなら、対策を施すこと」ですよね。
「マナーを求めるよりも外部電波に強いペースメーカーの研究開発に努力した方が得策だろうという意見が，医療の現場でも出ています」という記事を日経BPサイトで公開しているのは、現役の東京地下鉄株式会社（東京メトロ）保健医療センター所長。シルバーシート近辺ではケータイの電源を切るように求めている会社の人としては、勇気ある発言ですね。

もともと、ペースメーカー問題は「ペースメーカーのケーブルが、800MHz帯ケータイの電波のアンテナとして感度がいい」事が原因だったわけで、現実には誤作動は報告されていません。ペースメーカーとケータイを密着させた時、5,533回中1.7％に問題が生じた、っていう実験が、1997年にアメリカの権威ある医学雑誌New England Journal of Medicineに掲載されましたが、当時と今ではケータイ側もペースメーカー側も事情が変わっているので、そのまま当てはまらないですよね。
ペースメーカー装着者に対していたずらに不安を与え、心臓へのストレスを高めるよりは、「電波に強いペースメーカー」を作った方がずっといい、という論に、私は賛成です。

元記事（日経BP.jp）