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大分・豊後高田「昭和の町」 ~よくぞ残っていた。よくぞ集めた。

2018年06月28日 | 観光スポット

大分県の宇佐神宮や富貴寺に近い豊後高田市は、「昭和の町」として知られています。昭和30-40年代の商店街がそのまま取り残されていたことを逆手に取り、観光客向けのレトロな街並みを再現したものです。いわゆる“地域おこし”の全国でも最たる成功例です。

現在50代以上の方には、子供の頃の記憶がよみがえるたまらない光景が広がります。30代以下の方は自分が生まれる前の時代のサブカルチャーに目を見張るでしょう。

よくぞ残っていた、よくぞ集めた、観る者を本当に驚かせるパワーがこの町にはあります。


昭和の夢町三丁目館のスバル360

国東半島の北側の付け根に位置する豊後高田市は、江戸時代から大阪との水運で栄え、国東半島で最も栄えた町でした。しかし鉄道や幹線道路のルートから外れていたこともあり、昭和30年代をピークに町は活気を失い始めます。全国のいたるところで見られたように、郊外の大型店に客を取られ、町の中心商店街は“シャッター通り”になっていきます。

しかし2001年、そんな商店街の中の7店が昭和30年代を再現した外壁にし、昭和グッズの展示を始めます。少しずつ評判が広がるとともに、賛同する店も増えます。現在は44店が昭和の町の店として認定され、観光客は年間40万に増えています。



商店街はまさに“昭和”です。店の業種にゆかりの昭和グッズが「一店一品」として展示されており、街歩きの楽しみを盛り上げます。冷凍機能がない冷蔵庫や白黒テレビが今にのこされているのは本当に驚きです。

昭和30年代に全国で活躍したボンネットバスが、週末に商店街を周遊しています。半世紀以上前の乗り物なので冷房がありません。しかし夏に窓を全開にして風にあたりながら昭和の町を眺めると、まさに五感を使って街並みを楽しんでいることに気づきます。かなり粋です。冷房が効いて閉じられた窓から見る眺めとは全く感じ方が違います。

【公式サイト】 ボンネットバスの運行スケジュール



昭和ロマン蔵は、戦前まで大分一の富豪と呼ばれた野村家の農業倉庫だった建物を、昭和グッズの展示施設とレストランにしたものです。よくぞこれだけグッズを集めたものだと度肝を抜かれます。


駄菓子屋の夢博物館

駄菓子屋の夢博物館は、駄菓子のおまけ、雑誌の付録、キャンペーンのプレゼントなど、ありとあらゆる玩具やグッズが展示されています。東京五輪や大阪万博などイベント関連グッズもものすごい数です。

日本一のおもちゃコレクターである館長が地道に収集した20万点ものグッズは当初、大宰府で展示されていました。昭和の町のスタッフが館長の姿勢にほれ込み、博物館を昭和の町に引っ越してもらったものです。

「こんなものまであるのか」と、戦後のサブカルチャーの豊かさと奥の深さを楽しめます。


昭和の夢町小学校

昭和の夢町小学校は、木の床、木の机と椅子、木の壁、が再現されています。映画のセットのようで、記念撮影するにはばっちりのスポットです。

昭和の夢町三丁目館は、昭和時代の生活シーンが再現されています。居間のちゃぶ台、タイル張りの炊事台、スマートボールなど、まさに映画「ALL WAYS三丁目の夕日」の世界です。

【公式サイトの画像】 昭和の夢町三丁目館

訪れる前は、昭和時代を知らない30代以下の人は少ないだろうと思っていましたが、たくさんいたことに驚きました。老若男女いろんな人がいます。昭和時代を知っていても知らなくても、充分に楽しめます。見事な町です。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



昭和のデザインはよくできている


昭和の町
【豊後高田市公式観光サイト】
昭和ロマン蔵
【豊後高田市公式観光サイト】
原則休館日:毎年12月30日、31日

おすすめ交通機関:
JR日豊線宇佐駅から車で10分
JR宇佐駅から大分交通バス「豊後高田」「伊美」行乗車、「豊後高田」バスターミナル下車徒歩1分
大分空港から大分交通バス「中津・宇佐」行乗車、「豊後高田」バスターミナル下車徒歩1分
【公式サイトのアクセス案内】
※この施設には有料駐車場があります。


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