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日本初「重機」の展覧会は大当たり_東京 台場 科学未来館 5/19まで

2019年04月15日 | 観光スポット

重機の展覧会の話題が日々増幅中。ネット上でそんな動きを察知し、東京で時間を何とか捻出してお台場の日本科学未来館まで行ってきました。「工事中!」という奇抜な展覧会のネーミングに吸い込まれていくようで、とても楽しい展示でした。

  • 重機をメインテーマにした展覧会は日本初、実機展示の迫力にはびっくり
  • 運転席への搭乗/写真撮影と体験メニューも充実、大人もクールな社会科見学が楽しめる
  • よく見かけるが知らない整地/建設/解体など、様々な工程の作業や重機の仕組みを納得解説


科学未来館は「工事中!」展も常設展も、アジアや欧米の外国人観光客で一杯でした。トリップアドバイザーのランキングでも上位に顔を出しています。日本の高い科学技術力のイメージを体感できるスポットとして知名度が高いようです。


プロローグは「四脚クローラ方式双腕型コンセプトマシン」

工事現場で活躍する重機といえば、一昔前までは3K現場の象徴でしたが、そんなイメージは遠い過去のものになっている気がします。ダンプやショベルの運転席に若い女性が座っているのは普通に見かけます。重機のボディや作業服もとても清潔です。

テレビでも「鉄腕DASH」で、重機の免許を持っているTOKIOの城島がショベルを操作する様子をよく見かけるようになったのはいつからでしょうか。近年はNHKでも「ウルトラ重機」「解体キングダム」といった番組が話題を集め、重機はもはやマニアだけの世界ではありません。



展示はすべて屋内の展示室で構成されています。背の高いクレーンなどはさぞかし窮屈にも思えますが、そうとは感じさせないよう巧みに配置されています。そんな会場設営の工夫は、展覧会準備の重機搬入の動画から確認することができます。基地を造っていくようで、男子にとってはたまらないビデオです。

【展覧会公式動画】 重機搬入の舞台裏!

展示室は徹底して「工事中!」という非日常空間が再現されています。展示スペースを区切る壁は、通常の可動式の白壁ではなく、すべて天井まで届く「足場」で造られています。展示品に近づきすぎないよう促すラインは、床の白テープではなく、カラフルな三角コーンです。

会場内の所々に配置された案内スタッフは、通常のシックな制服ではなく、黄色のヘルメットに反射付き安全ベストを着用した現場の作業員の装束です。大人も子供も、会場に入った瞬間にワクワクする演出が徹底されています。


案内スタッフは黄色のヘルメット、展示室の壁は足場

展示は「四脚クローラ方式双腕型コンセプトマシン」という、素人にとっては”ちんぷんかんぷん”なネーミングのマシンから始まります。

4つ付いた三角おにぎり型のキャタピラ-が別々に動くことで障害物が散乱した地面でも進むことができ、カニのような2本の大きな腕で物をつかんだり切ったりできます。東日本大震災でも2本の大きな腕が大活躍したようで、過酷な環境下での一層の作業の効率化が期待されているようです。

なお日本で一般的に使われている「キャタピラー」は、20c初頭に世界で初めて製品化した米国キャタピラー社の登録商標で、一般名詞が「クローラ」だそうです。「クローラ」の意味を調べて気付きました。「ホチキス」や「宅急便」と同じなのです。

ブルドーザ、ホイールローダ、ショベルと見慣れた重機の展示が続きます。普段は遠く離れてしか見ないものなので、とにかく大きさに圧倒されます。それぞれの重機の役割や特徴がきちんとパネル解説されており、とても賢くなったような気分になれます。

展示では全身銀色に塗られた「ユンボ」が目を引きます。1961(昭和36)年に三菱重工が初めて国産化した製品で、前回の東京五輪をはじめ高度経済成長期の日本全国の建設・土木現場で大活躍しました。なおショベルによく使われる「ユンボ」という名称も、三菱重工が技術輸入したフランス社の登録商法です。モノのネーミングの由来を聞くと、とても楽しくなります。


ミニショベルの運転台に座ることができます

クレーンの巨大なフックや、解体作業に使うカッターは、それだけで人間より大きいものもあります。新国立競技場の建設や、だるま落としのように最上部をのこしたまま進められて話題になった赤プリの解体工事の様子が、ビデオも交えて解説されています。土木・建設の技術の進歩には本当に目を見張ります。

ミニショベルの運転台に座ることができるコーナーは、子供に大人に大人気でした。座れる機会は通常ないため、大人も行列していました。



なにしろ初めて見る展示だけに、一周すると強烈な印象が残ります。展覧会ではお決まりの出口に設けられたショップでは、オリジナルグッズに目が釘付けとなります。私もクリアファイルを思わず買ってしまいました。

【展覧会公式サイト】 展覧会オリジナルグッズ

科学未来館は3Fと5Fの常設展示でも、非日常体験を満喫できます。上野の科学博物館はどちらかと言うと科学技術の歴史や自然の仕組みに主眼を置いた展示ですが、科学未来館は最新の科学技術に特化した展示で、体験メニューが豊富なことも見逃せません。

この科学未来館の魅力には、日本人より外国人の方が先に気付いています。

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



見ていると熱中してしまう

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<東京都江東区>
日本科学未来館
企画展
「工事中!」~立ち入り禁止!?重機の現場~
【館による展覧会公式サイト】
【主催メディアによる展覧会公式サイト】

主催:日本科学未来館、読売新聞社、フジテレビジョン、BS日テレ
会場:1F企画展示ゾーン
会期:2019年2月8日(金)~5月19日(日)
原則休館日:火曜日
入館(拝観)受付時間:10:00~16:30

※会期中に展示作品の入れ替えは原則ありません。
※この展覧会は、今後他会場への巡回はありません。
※この施設は、常設展示を行っています。
※この展覧会は、撮影禁止作品以外の会場内の写真撮影が可能です。



◆おすすめ交通機関◆

新交通ゆりかもめ「東京国際クルーズターミナル」駅下車、東口から徒歩5分
新交通ゆりかもめ「テレコムセンター」駅下車、北口から徒歩4分
東京臨海高速鉄道りんかい線「東京テレポート」駅下車、B出口から徒歩15分

JR東京駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:40分
東京駅→JR山手線/京浜東北線→新橋駅→ゆりかもめ→東京国際クルーズターミナル駅(旧:船の科学館駅)

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には有料の駐車場があります。
※駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。


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