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貴船神社「貴船祭」 ~京都の水の聖地のベスト・シーズン

2018年05月13日 | お寺・神社・特別公開

京都・貴船(きふね)神社で、最も大切な例祭である「貴船祭」がまもなく行われます。貴船神社は水の神です。京都の町と文化をはぐくんだかけがえのない水に感謝するお祭りです。

新緑が最も美しい初夏は、貴船川の清流の音や水の色を最も美しく感じられ季節でもあります。そんな抜群の季節に、縁結びのご利益に訪れる人も少なくありません。京都に夏の訪れを告げる、とてもすがすがしい風物詩です。


新緑に囲まれた本殿

貴船神社は水の神として、京都のみならず全国的に名高く、飲食業業から消防士まで、水に関わるあらゆる職業の人々が参拝に訪れます。

神武天皇の母が淀川を遡ってたどり着いた貴船の地に神社が創建された言い伝えがあることから、日本神話の時代から水の神としてあがめられています。京都に水のスポットは数ありますが、何といっても母なる水の聖地は貴船なのです。

貴船川は鴨川の上流にあたります。鴨川の源流は法律的には、より長くさかのぼることができる貴船の西側を通る川筋に設定されていますが、京都人の心の中にある鴨川の源流は貴船川です。

鴨川の上流の貴船川沿いに建つ社殿に至る参道は、夏の川床(かわどこ)が殊に知られています。水の恵みとすがすがしさを満喫できるかけがえのないスポットです。

京都に川床は数ありますが、何といっても貴船は水面が近いことが最大の魅力です。床から手を伸ばせば水の流れに触れることができるほどです。なおこの魅力の反面としてやむを得ないのですが、上流で大雨が降った場合に急に水かさが増すため、食事中でも急遽撤収になるという、笑い話のようですが真面目なルールもあります。



貴船神社は、境内が貴船川に沿って三か所に分かれています。鞍馬寺の西門に近く、最も南の下流に位置する本宮(ほんぐう)から北の上流に、結社(ゆいのやしろ)=中宮(なかみや)とも呼ばれる、奥宮(おくみや)があります。本宮から奥宮は700mほどで、参道には川床が立ち並んでいます。ほとんど起伏がなく、森と水のイオンを吸収するには絶好の散歩道です。



結社(ゆいのやしろ)は、京都でも有数の縁結びの神として知られています。「結社」という社名の漢字や読み方が実に美しく、水の聖地で祈る良縁は格別の思い出になるでしょう。



前回おすすめしたルートの鞍馬寺・西門やバス停から参道を進むと、本宮にのぼる赤い灯篭の石段が見えてきます。新緑が最も美しい初夏には、緑と赤のコントラストの絶景を楽しむことができます。京都有数のインスタ映えスポットです。

本宮は平安時代には現在の奥宮にありました。洪水で流されたため、現在の少し高台に移されました。そのため結果的に赤い灯篭の石段が生まれることになりました。貴船は参道と水面の高さがあまり変わらず、散歩道としてはきわめて魅力的です。一方ほとんど発生しませんが、急な出水の際には注意が必要です。


神輿出発前の神事

貴船祭は11:00頃の本殿の舞楽から始まります。こじんまりした境内に見物客が集まりますが、例年さほどの混雑にはなりません。13:00頃からは神輿が町内を練り歩きます。神輿を担ぐ男たちの熱気が伝わってきますが、市内より気温が低いため暑苦しさは全く感じません。それ以上に新緑に神輿が映え、とてもすがすがしい光景です。水の清らかさと見事にマッチするお祭りです。



貴船神社のおみくじは、真っ白に見える紙を選んで霊水にひたすと吉凶を示す文字が現れるもので、こちらも大人気です。水の聖地ならではの見事な演出です。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。



誰もいない寺社で撮影した神秘の音と映像


貴船神社
http://kifunejinja.jp/index.html
貴船祭の案内
・貴船神社facebookページへジャンプ
・京阪電車サイト
催行日:6月1日(毎年日付で固定)11:00頃~16:00頃
 
※スタート時間は当日の神事の進行や天候に左右される場合があります。
※拝観・見学に条件はありません。いつでも無料で拝観・見学できます。

おすすめ交通機関:
叡山電車・鞍馬駅から鞍馬寺経由で徒歩80分(拝観時間含まず)、叡山電車・貴船口駅まで徒歩30分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:70~90分
JR京都駅→JR奈良線・東福寺駅→京阪電車・出町柳駅→叡山電車・貴船口駅→京都バス・貴船バス停
貴船神社公式サイトのアクセス案内
※道路の狭さと駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。
※現地付近のタクシー利用は事前予約を強くおすすめします。

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