「日本の野生植物」(旧版)キンポウゲ科 より
単花被の場合、花被片は普通蕚片のみで、花弁状に着色する。異花被の場合、萼片は、花弁よりも大きく着色して花弁状になる場合と、花弁よりも小さく緑色で保護器官になる場合がある。
花弁は雄蕊に由来したもので変化が大きく、ふつう蜜を分泌するので蜜葉(あるいは蜜弁=改訂新版)と呼ばれることもある。・・・
「日本大百科全書(ニッポニカ)花弁」より
花弁の由来には二つの場合がある。第一は花被片(かひへん)が萼片(がくへん)と花弁に分化した場合で、萼片との間に移行型を示すものが多い。モクレン科などにみられる。第二は
外部の雄しべが花粉形成をやめて弁化したもので、雄しべとの間に移行型を示すものが多い。キンポウゲ科などにみられる。
今まで見てきたキンポウゲ科の花を詳しく見てみる。(説明は「日本の野生植物・改訂新版を参照した。)
セリバオウレン キンポウゲ科 オウレン属
5~6個の大きな萼片と萼片より小さい蜜弁(蜜を出す花弁)がある。花弁凹んだ所に蜜が光っている。
バイカオウレン キンポウゲ科 オウレン属
5個の白色の萼片と花弁はさじ形で黄色い舷部(先端の幅広い部分)は浅い杯状。杯の中に蜜が光っている。
セツブンソウ キンポウゲ科 イチリンソウ属
萼片は白色で大きく、ふつう5個。花弁は舷部は長さ2~3mm、黄色~橙黄色、先端が2(~4)裂して基部がふくらんで蜜腺となり、柄は長さ1~1.5mm。写真では蜜らしきものは見えないが。
よく花弁は退化して…という表現があるがキンポウゲ科の場合は???
セリバオウレンの場合はが雄しべが花粉形成をやめて弁化したという表現がわかるが、バイカオウレンとセツブンソウの場合、一旦弁化した雄しべがこのような独特の形に変化OR弁化の過程で直接このような形になった???
「キンポウゲ科はかって被子植物の中でもっとも原始的な科の1つと考えられていた。(旧版でもそう記されていた。)
最近の研究によると、もっとも原始的とは言えないものの、かなり古い歴史を持っているといえる。」「日本の野生植物 改訂新版)
古いだけに色々な形の原点が残っているのか?これからもいろいろなキンポウゲ科の花を見たり調べてみよう。