発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

359.リクエストテーマ

359.リクエストテーマ
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所

 教室では毎月テーマを決めて、絵画や工作、読解テキストなどにおいて特集を組んでいます。そのテーマは、季節や行事、話題のもの、動物・植物・魚・鳥・・・などのカテゴリーから選ばれます。生徒さん方がいろいろな対象に触れ、描くことを通して何かに気づき、新しく知り、さらに探求し、というように興味を持ち、コミュニケーションをとり、不思議に思ったり驚いたりと気持ちを動かし、体験や行動の範囲を広げられることを目的としています。

 こちらが用意したテーマの他に、生徒さん自身のリクエストによる飛び入りのテーマもあります。

 先月は「レッサーパンダ」でした。遠足といえば千葉市動物公園がポピュラーな津田沼教室からのリクエストです。後ろ足で立ち上がるという風太くんが一時話題となったあの動物園です。どこかの教室でリクエストに上がったものは、どの教室でもとりあげます。

 今月のリクエストは「シマウマ」でした。何かで行動のリズムが崩れたり、やや情緒の安定を欠いて、スムーズに学習に入れないようなことが時にあります。そんなときに「これがあれば」というキーのなるものがあります。ある生徒さんにとっては、そのキーが「シマウマ」だったのです。「シマウマを描こう!」という促しで、学習に入ることが出来るのです。

 もちろん言葉がけだけではなく本当にシマウマを描き、いっしょに楽しみ、気持ちの交流をはかり、よい情緒の流れと安定をはかるのです。

 来月のリクエストテーマは「ハクチョウ」です。お父さまとタンデム(2人乗り自転車)でしばしば遠出をし、多摩川でアヒルを見たのがきっかけでしょうか、アヒルやハクチョウにとても興味のある生徒さんからのリクエストです。

 タンデムでの遠出は生徒さんにとっては何よりの楽しみなのだと思いますが、お父さまのこぐペダルの動きに合わせて自分の足も動かしながら、首を左右に振りながら、風景や目に停まるものを眺める、手こそそれほど動かさないのでしょうが、まるでパターニングに匹敵するようなトレーニングでもあります。

 四季折々の風景の中、外の空気を吸いながら、体を動かし、「アヒル、アヒル」と会話をし、好きなものや興味の対象が広がってくる・・・すばらしいですね。 

 生徒さんからのリクエストテーマや、生徒さんの様子やまたご家庭からのお話にヒントを得た講師からのリクエストテーマには、生徒さんの気持ちに直結する大きな力があります。それらのリクエストテーマは、思いの外、ほかの生徒さんにとっても大きな力になっているのです。学習へのモチベーションを高め、学習意欲をそそり、理解力をも高めます。感情も豊かにさせます。何より、安定した行動と情緒を取り戻す契機となります。

 生徒さんの本当に必要なもの、今必要なものに応えるような療育を心がけていきたいものです。そこからは私達講師も新鮮な驚きや発見など、大きな力を得ているのです。
 

造形リトミック教育研究所
>>ホームページ http://www.zoukei-rythmique.jp/
>>お問い合せメール info@zoukei-rythmique.jp

なかのひと
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