晴山雨読ときどき映画

“人生は森の中の一日”
山へ登ったり、本を読んだり映画を観るのは知らない世界を旅しているのと同じよ。
       

修験の道 裏英彦山道 part2

2008年11月28日 | 
”裏”という響きにたまらなく好奇心をかき立てられるのは私だけではないはず。
さて裏英彦山道とは?
(下の略図を参考)にして簡単に説明。
黄色い登山道ほど知られていないが、昔から山伏が修験するために使っていた道で昭和4、50年代頃までは歩かれていた。ここしばらく鳴りを潜めていたのが、ある山の雑誌に裏英彦山道(赤で表示)が特集され最近注目を浴びることとなったらしい。南岳正規ルート途中鬼杉手前から入り南岳、中岳、さらに北岳の中腹をトラバースして薬師峠へ下りる。

思いがけず一日で英彦山を堪能できることになった。なんてラッキー!



南岳山頂で昼食を済ませいざ出発。正面道と異なり、ようやく山らしい様相になってきて期待に胸膨らませる。
鎖場では登るほうも下りるほうも順番を待つほど人が多かった。

 

火山で噴出したマグマが急速に冷えて固まった安山岩の柱状節理→
鬼杉伝説によると、鬼が社を建てようとして切り出した材木の名残で材木石と呼ばれている。

ここが裏英彦山道の取り付き点。

難路なので初心者のみでの入山は危険と注意書きが添えてある。

しばらくは穏やかな植樹林帯の尾根歩きが続く。
葉を散らせたブナやシオジ、カエデの大木が裸木でそびえ、足元には色とりどりの落ち葉が敷き詰められ全盛期の紅葉時を想像しながら歩く。きっと素晴らしい紅葉の谷間が広がっていたはずだ。ふわふわでクッションがとても効いている落ち葉の絨毯をさくさくと踏みしめる・・・。
木漏れ日と自然林が織り成す奥座敷、日本庭園のような光景に何回も立ち止まってため息をつかずにはいられなかった。彼らは人知れず春に息吹きまた土にもどっていくのを何千回、何万回繰り返したのだろうか。

←籠水峠(こもりみずとうげ)へ向かう急斜面

籠水峠からは猫の丸尾を経て岳滅鬼山(がくめき)へ続く。山伏達は春には小石原を経て宝満山、秋には福智山から皿倉山まで足を延ばして修行したというのだからさすがぁだ。
1071メートルピークの鹿の角


ケルンの谷手前にある垂水の壷には岩から雫が滴っている。
それを口で受け止める豊津の信ちゃん&俊ちゃんさん。



名前の通り、苔むした大岩にたくさんのケルンが積まれてあった。背丈ほど伸びたスズタケ帯をくぐり、倒木を避けながらアップダウンを繰り返し谷筋は足場の悪いゴーロが続き、少々嫌気がさし始めた頃、左手頭上に午前中写真を撮った英彦山上宮の屋根後ろ側が見えた。
なるほど、ぐるりと一回りしたことになるのか・・・。きついはずだ。

   

濃密な実質歩行時間5時間(下山は3、5時間)を経てやっと終点薬師峠に到着。「ばんざーい」の声が上がった。
「やまびこ会」豊津の信ちゃん&俊ちゃんさん、小次郎さん、TETU-1さん、ミラさん飛入り参加させてもらいありがとうございました。
久しぶりに登り応えのあったタイムリーな裏英彦山道ー。
登山後に雑誌を買って読みまだ他にも裏英彦山道があることを知り、密かに次回の裏英彦山と鷹の巣山を狙っている私です。



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