こんなこともやってます。
既設建物にキッチンの新設です。
キッチンを造るのに与えられたスペースはわずか一畳。
畳1枚の広さにキッチンを作ろうという計画です。
広い部屋の一角ではなく閉じた部屋で、壁から壁までの内法(うちのり)寸法は800mm×1710mm。
よくある住宅のトイレと同じ広さです。
設計を始めてから、トイレに入って何度も悩みました。どこにどうしたらキッチンとして成り立つのか。
給湯室ではなく、毎日三食、家族のための調理を行うキッチンです。
幸い冷蔵庫と電子レンジ置き場は他の場所に確保されていましたが、
これを成り立たせるためには、様々な工夫が必要です。
まず考えたことは、どちら向きにしたら調理しやすいのか。
幅が大事なのか、奥行きが大事なのか。
いろいろ悩んだ末に、幅をとって長手方向に配置することに(幅1710mm)。
そうすると犠牲になるのは奥行です。
部屋の奥行きはわずか800mm。
普通のキッチンは奥行が650mmありますが、そんなことしたら人が立てません。
そこでこのキッチンの奥行は400mm程。
中華鍋を振った時に後ろの壁に肘が当たらない寸法を探りました。
写真には写っていませんが、切った材料を置いたり盛り付けたりする場所が不足するのでかなり低めの棚も設けています。
その他にも細かな工夫や、ミリ単位の寸法調整をしています。
出来上がったキッチンは、まるでレーシングカーのコックピットの様です。
決して広くはないですが、意外に快適・機能的で、おいしい料理が作れます。
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