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マティスと「野獣派」

2023-10-21 12:21:00 | 世界史

【アンリマティス】 

 マティスは、野獣派「フォーヴィスム」の首領、発案者です。過去の巨匠の作品を模写することによって、その技術を習得し、独自の作風を確立しました。マティスが影響を受けたのが「セザンヌ」「ゴッホ」「ゴーギャン」「スーラ」「印象派」などです。ペルシャのミニアチュール「細密画」を好み、東方文化からもアイデアを得ていました。マティスが、師事したのがモローです。ピカソは、友人であり長年のライバルでした。

 マティスの性格は「心配症」で「几帳面」な性格だったとされています。野獣派と呼ばれていましたが、マティス自身は、紳士的で知性のある画家でした。太陽と旅を愛し、南仏ニースに滞在していたこともあります。マティスは、画家だけでなく、科学者、彫刻家でもありました。

 【野獣派】 

 野獣派は、20世紀初頭のフランスで生まれた絵画運動です。強い色彩と奔放なタッチだったので、はじめは、芸術家たちに酷評されました。その大胆な線のタッチは、生命のリズムを表現しています。野獣派とは「野獣の檻のようだ」が名前の由来です。その絵には、自然の色は使われず、現実には存在しない原色が使用されていました。また、フォルムは歪曲化、細部は簡略化されています。画面も平面的だったので、写実的でなく、抽象的な絵でした。なぜ、そのような絵にしたかは、自然の再現ではなく、自分の内面の「思想」や「心情」を表現しようとしたからです。 

 マティスは、独特の色彩感覚を持っていたので「色彩の魔術師」と呼ばれました。その色彩は、感情を色に置き換えたものです。マティスの絵は、色の組み合わせで、豊かな色彩世界を表現していたので「色彩のハーモニー」と呼ばれました。それは、調和のある色面によって、構成されています。その巧みな色彩構成力によって、奥行きを感じさせるような空間表現を実現していました。

 【切り絵】 

 マティスの革新的な技法は、視覚美術を発展させました。その抜群のデザイン力は、現代商業主義デザインの手本とされています。マティスは、色彩によってデザインしたので、ものの形体は、極限まで単純化させられました。形体を単純化する中で、行き着いたのが「切り紙」です。切り絵「カットアウト」によって、好きな構図で色を配置することが出来きました。マティスの言葉には「ハサミは鉛筆より感覚的だ」というものがあります。

 【作風】 

 マティスにとって絵画は、個性の表現であり、天国への逃避でした。自分が感じたものを、自分の意図で、明確に絵に表現していたからです。マティスにとって、芸術は、自然への一種の瞑想でした。マティスは、明確で調和のとれた作品を残しています。画風は、激しいタッチでしたが、全体としては均衡がとれ、穏やかで静寂な感じでした。その代表作は「赤い食卓」「帽子の女」「赤のハーモニー」などです。特に人物に興味持ち「自画像」「妻」「娘」を多く描きました。 




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