お盆を迎えるためにお墓掃除に出かけた。
スコールのような雨とやぶ蚊に刺されるままに何とか終えた。
無防備な耳はダンボの耳のように腫れて額の真ん中にも痕跡が残った。
蝶々が花の蜜に夢中で逃げない。
裏の池では鯉、お墓では青蛙が私を迎えてくれた。
散りかけたお盆花の薄紫が盆の訪れを告げる。
白い百日紅
例年より遅く泣き始めたセミの声があたりに響き渡る。
お寺の山門の掃除と村人足でお宮さんとお堂の清掃にも加わった。村人は半数が若者に代わりどこの誰だか判らない。
お年寄りだけが昔のままの優しいまなざしを向けてくれる。