不器用な木
猫の目に雨の街を映して
猫型の雫が落ちた
ブラックホールの出来そこない
トンネル型の雫が落ちた
暗雲の底で泳いでいる
深海魚型の雫が落ちた
誰もすわれない
椅子型の雫が落ちた
地球の樹木らしく
丸い雫をつくれない
不器用な木が生えている
ぎこちなく葉をふるわせて
雨粒を 一粒づつ見つめている
表面張力まで
こんがらがってしまうほど
考え込む性格なのかもしれない
今 はじけるように閃いた
感嘆符の小枝をすべり
疑問符の青葉にゆらぎ
もう少しの
葉先から
水玉模様の
雨傘型の雫が落ちた
( 真鹿子)
猫の目に雨の街を映して
猫型の雫が落ちた
ブラックホールの出来そこない
トンネル型の雫が落ちた
暗雲の底で泳いでいる
深海魚型の雫が落ちた
誰もすわれない
椅子型の雫が落ちた
地球の樹木らしく
丸い雫をつくれない
不器用な木が生えている
ぎこちなく葉をふるわせて
雨粒を 一粒づつ見つめている
表面張力まで
こんがらがってしまうほど
考え込む性格なのかもしれない
今 はじけるように閃いた
感嘆符の小枝をすべり
疑問符の青葉にゆらぎ
もう少しの
葉先から
水玉模様の
雨傘型の雫が落ちた
( 真鹿子)