内海聡FBより転載
2024年03月15日
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世の中には、自分で調べてみる価値のある陰謀論と、うさんくさく突拍子もない陰謀論とが玉石混交です。
うさんくさい陰謀論が広まる背景には、「Qアノン」の存在があるのではないでしょうか。
Qアノンとは、アメリカの極右勢力が提唱しているとされる陰謀論とそれに基づく政治活動のことを指します。
おもにSNSを通じて情報を拡散しているQアノンは、2017年に「Q」というハンドルネームで書かれた主張によってはじまりました。
「世界は悪魔を崇拝していて、小児性愛を抱いた人たちによって支配されている」というのがその主張です。
これだけなら既存の陰謀論と変わりませんが、Qアノンの主張は、実際に証明されていない突拍子もないものが多く、引きこもりがYouTubeの動画をうのみにしているレベルのものばかりです。
たしかに世界には小児性愛者がはびこっていたり、かつて西洋に悪魔崇拝で幼児を生贄として差し出す文化があったりしたこともあります。
ただし、その歴史と、Qアノンの主張が正しいかはまったくの別問題です。
このQアノンがトランプ元大統領を神格化しているのがまた問題なのですが、こういう妄想的ヒーロー願望と、陰謀論を社会理解につなげるのを一緒にしないほうがいいです。
さらに問題は、Qアノンの信者たちの存在が、きちんと考察したいというワクチン反対論者の論調を邪魔しているということです。
突拍子もない歴史観もない陰謀論はただのオカルトであり、論理的な社会システム論になっていません。
これらとワクチン反対をつなげるのは、まともな科学的批判の否定につながります。
実際に世界の大メディアは、ワクチン反対論がでたらめであることの根拠としてQアノンの存在を使っている始末です。
ワクチンについて反対や否定をする時は、科学的根拠をいくつも提示し、それと同時に統計や研究を施す時の問題を加味して行わなければ意味がありません。
ワクチンの反対や否定をするなら、基礎医学と基礎免疫学を考慮したうえで反対や否定をすべきだということです。
せめてこれを読んでいる皆さんは、Qアノンとフラットアースみたいな、妄想丸出しの話をうのみにするのはやめていただきたいと思っています。
極端な話、「こんな腐ったことをマジで信じているアホどもが言うんだから、ワクチンが危ないとか効かないとかみんなウソだろ」などと思われる危険性をおおいにはらんでいるのです。
陰謀論というものの見方は、実感と背景、根拠があってこそ、はじめてそこに絶大な意味が生まれるものだと思っています。
<2025年日本滅亡説より抜粋>
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