い・ち・に・ち

今更だけどいつも思っていた事

心彩83

2024-06-30 16:39:39 | 心彩
目の前にあるものが
ほんの一部だなんて
思うには大きすぎて
認めるのには重すぎて

噂話も自慢話も
ひとつ向こうの異世界で
自分にふりかからなければ
どこか離れた物語

機織りの姿を覗いたような
後ろめたさと驚きが
のちの自分にプラスになるなら

いつもの場所の一歩先まで
進めばわかる期待と後悔
どこにいてもほんの一部
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心彩82

2024-06-29 19:01:30 | 心彩
どんなに空が澄んでいても
遠すぎてその高さは分からない

良く解ってくれるとか
一番心配してくれるとか

自分から発信する信頼は
相手が受け止めてくれるから

澄み切った空でも
雲を誘い雨に隠れて
すべてのモノを上と下に分ける

反対側の違いを見せず
たったひとつを真ん中にする

人は皆
自分を照らす太陽を求めるから

変わらずそこにいるモノを
信じながら空を見る
信じたくて手を伸ばす
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心彩81

2024-06-28 16:45:45 | 心彩
順番待ちの長い列が
軒下の滴に途切れる

はみ出すことを怖がって
真後ろを保っていたけれど
物言わぬ後ろ姿が近くて遠い

一歩進む度
期待に揺れる空気に押され
流されるままの足元を見る

空想の世界を雨が消しても
雨粒の間を縫うように
また新しい今が来る
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心彩80

2024-06-27 17:02:17 | 心彩
あの日の笑顔だったと知れば
悲しいような切ないような

戻れるはずはないけれど

あの日があるから今日があるとは
言いたいような言えないような

自分の心のざわめきさえも
知らない振りして通り過ぎて

思わなくても今が増える

時の長さが動く分
心の中身も変わり続け

いいこともわるいことも
分別するのはひとりずつ

覚えていても忘れたくても
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心彩79

2024-06-26 17:35:00 | 心彩
窓越しの紫陽花が
絵画みたいな色を付ける

雨の滴だけ転がって
いつか見た風景が動く

何か思い出せなくて
どこまで遡ればいいのか

ひと粒ひと粒落ちるたびに
締め付けられる泣き顔が

浮かびそうでぼんやりと
心の窓を曇らせた
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