手を繋げば伝わるもの
ぬくもり
離れたくない気持ち
握手とは違う絆
どこへ行くのも一緒だったのに
姿が見えなければ悲しかったのに
いつの間にか距離が出来
大人の階段を上り続け
追いつくはずのない
それぞれの道
呼べば聞こえる距離が
すれ違いの高さを作り
それでいいのだと
言いきかせ乍ら
たまに振り返る段違い
少しこわくてふるえてる
散歩する気分で
舗装された穏やかな道を
ゆっくりと歩いていたのは
心地よかったから
苦しくなかったから
追ってくるのはやさしい風
向かってくるのはあたたかな光
身構えることもなく
焦ることもなく
平坦な真ん中を同じ歩調で
脅威から守られた空間を進む
平凡を望むあまり
平凡が分からなくなって
自分だけの歩幅をもう一度見る
泣き続けても笑顔は忘れない
パタンとドアを閉めたみたいに
向こう側と遮断されて
ひとりぼっちになった時
どこか落ち着いてる心は
やっぱりと思ったのか
呆気にとられたのか
思い出せない数分前と
しみついてる数年間が
スタートラインを探してる
カラダだけひとりでも
気持ちは数えきれなくて
抱える重さにつぶれそう
訳も分からず泣くだけ泣いて
頬が濡れたら拭えばいい
はれた瞼で空を見上げて
はれた空気を吸えばいい
じわじわと包み込むように
ゆっくり降りてきた昔々の物語
大人を境に
前と後のひと昔が変わる
夕陽の影を追うように
記憶の道は懐かしさを超えて
おとぎ話になりそうな
夢色のページが続いてる
あの頃が良かったと
一番は過去にあったと
断言できる虚しさが今日を止める
右にも左にも行けるなら
現在地はどこだろう
来た道を選ぶことも可能ならば
どこが始まりになるんだろう
いつだって何かの途中
目的が変わることなく進めるのなら
それが一番だとほめられて
おだてられれば大木をよじ登り
干からびそうな体で大海も目指す
道に迷っても居眠りしても
進むごとに目的地が変わっても
いつだって人生の途中