文字で伝わる言葉の意味は
辞書よりも少なくて
知識よりも幼くて
想いよりも儚い
羽ばたきの風に揺らぎ
風のうわさに吹き飛ばされ
追い立てられて
追い込められて
何を探しているのか
何処に行きたいのか
空っぽの手のひらは
何を失くしたのか
ひとつずつすくい上げ
乾いたのどを潤せば
裂けた気持ちもふさがって
言葉の意味を知るだろう
すれ違いとは 気付かないから
何も知らない 何も変わらない
ドラマみたいに 同時進行で
相手の気持ちが 分かるなら
物語の主人公が もしかしたら
自分にも当てはまると 思えたなら
そんな夢を
起きているくせに 見ようとして
現実の世界に 当てはめる努力をする
そんな事を
繰り返しながら 取り換えながら
すれ違った未来を 知らぬ間に追い越す
たったひとつの宝物だから
肌身離さず持ち歩く
一緒にいられない時は
箱に入れて鍵をかける
自由に空を飛べなくても
籠の中の狭さにまどろむ
愛らしい仕草とキレイな声で
青空を呼ぶようになく
放さなかった心のもろさを
繋ぎとめてたクサリが外れ
羽ばたく空が迎えに来たのに
自ら選んだ温もりの中
空気みたいにそこにあるから
考えなくても選ばなくても
吸い込んでしまう
苦しくないように
楽になるように
吸っては吐いてを繰り返す
教えられなくても出来たはず
身を守り心を育み
すべてが正しい生きる方向
雨の日は傘が要るように
雨宿りの場所に着いたら
濡れた髪が乾くように
一番自然なリズムのままに
懐かしい音を聞いて
自分の記憶を辿りながら
主人公になれる柔らかさ
胸に刺さる言葉を
鋭い棘だと思わずに
底に根付く芯の深さにする
暑い空気に押しつぶされて
柔らかさは形を変え
ひび割れた底が音を立てる
作者の思い通りに進んでも
しあわせの答えはひとりずつ
答え合わせもひとりずつ