心空65

目が覚めたのは眩しかったから

いつの間にか

遮る葉っぱがなくなって

細く伸びた枝先が空を指していた

さぁ行っておいでと背中を押され

動けぬ大木に別れを告げた

気付いた時にはそばにいた

雨宿りの大きさに

木漏れ日の美しさに

当たり前にもたれかかっていた

いつもここにいるよと

大地に根をはり季節を待つ

年輪を重ね太陽に向かい

ただ空を目指しただけなのに

いつもひとりだった