NBA Thunder Dancer

オクラホマシティ・サンダーを応援していくNBAブログです。

決勝 vs スペイン

2012年08月13日 | オリンピック関係
さてさて12日間に渡り行われてきたロンドン五輪の男子バスケットボールも決勝です。
対戦カードはくしくも4年前、北京五輪と同じアメリカvsスペインというカードとなったのでした。

親善試合でも対戦している実現しているこのカード、当然ながらFIBAランクの1位と2位なのですが、"ドリームチーム"と表される通り圧倒的な力でここまで勝ち進んできたアメリカ代表とは裏腹にスペイン代表は予選ラウンドで、銅メダルとなったロシア代表とブラジル代表に敗戦して3勝2敗と精彩を欠いていたわけなんですよ。
終いにはユーロリーグ最高の選手あるナバーロまで足を負傷してしまい欠場する始末。
トーナメントには進出したものの、準決勝の相手は予選リーグで敗戦しているロシア。誰しもスペインの負けを想像したのではないでしょうか。
しかし、ここにきて真価を発揮したのもまたスペインだったのですね。
ガソル兄を筆頭にインサイドを中心としたチームバスケットで接戦をものにし、決勝の舞台にまで上がってきたのです。
もちろんアメリカ代表も世界最高峰のNBA選手、しかも"ドリームチーム"ですから、その威信の為にも絶対に負けられない試合となっていました。



こうして始まった試合、まず先取点をあげたのはコービーからチャンドラーへのアリウープだったアメリカでした。
しかし、スペインもすぐさまナバーロが3Pで反撃。しかもこれがいきなりバスケットカウントで4点プレーとなったんですね。
すると今度はアメリカのデュラントが3P。続けてバスケットカウントと奮起。
一方のスペインもナバーロが3Pを立て続けに沈めていったのでした。
やはり決勝ということもあり、アンスポーツマンライクファールも飛び出すほど選手達も熱くなっていましたが、その影響かアメリカが多少リードしているもののそこまで点差の離れる展開にはなっていなかったのです。
むしろアメリカはデュラントはもちろん、コービー、メロにも3Pがヒットしており、インサイドで確実に得点しているスペインとは裏腹にギャンブル性の高いリードだったとも言えたのではないでしょうか。
結局第1クォーターを、35-27で終了し、アメリカがリードしていました。


しかし第2クォーターになりスペインが反撃に出ます。
いきなりアメリカはノーマークで3Pを許してしまうディフェンスでのミスが出てしまい、その勢いのままもう1度3Pを沈められてしまったのでした。あっさりスペインが逆転です。
ま、アメリカもそう簡単には離されませんが、拮抗した接戦になっていきました。
そんな中目立ったのが両チームともに言えるファールトラブルだったのです。
やはり試合に影響し兼ねないレフェリーの笛が多くコールされ、それと共にフリースローがだいぶ多くなっていったんですね。
もちろん国際試合に慣れていないアメリカ代表は仕方ないにしてもユーロリーグの選手でさえコールに苦戦していたのですから、やはりコールが判定が厳しかった、もしくはやや疑問の残るものになってしまったのかも知れません。
案の定、それに影響された選手もおり、スペインのガソル弟は第2クォーター中盤にも関わらず、4回目のファールをコールされてしまいベンチに下がらざるを得なくなってしまったわけなんですよ。
またアメリカのイグドラもファールならまだしもろくに接触していないプレーでアンスポーツマンライクファールをコールされるなど、やはり影響を受けてしまっています。
一概にその結果とは言いませんが、59-58とスペインがかなりアメリカに迫って前半を終了しました。


第3クォーター、開始こそCP3が3Pをヒットさせましたが、アメリカにとってインサイド最大の脅威であるガソル兄が連続得点を記録し、またしてもスペインが逆転に成功しています。
アメリカ代表はコービーのドライビングダンク、速攻からのデュラント→レブロンのアリウープダンク等盛り上がるプレーもあったのですが、やはりスペインのディフェンス&インサイドの攻めを止められず相変わらず接戦となっていましたね。
スペインのいけいけムードを、デュラントが3Pで得点を繋いでいたと言っても過言ではありません。
第3クォーターを終了しても83-82と接戦は続いております。


金メダルを懸けた運命の最終クォーター、まず最初に得点したのはアメリカでした。レブロンがインサイドに切れ込んで得点をあげたんですね。
スペインもすぐさま得点し返したのですが、今度はCP3が連続得点、アメリカがややリードを広げ始めたのです。
スペインは得意なインサイドでプレーをするのですが、アメリカのタフなディフェンスの前にいまいち得点をあげることはできません。
しかもアメリカはここにきて連続で得点をあげ、最後の締めにかかろうとしているのです。
なんとしても逆転しなければならないスペイン代表、その前に立ちはだかったのはやはり北京五輪同様アメリカ代表だったのでした。
ショットクロックが残り少ない中レブロンが1on1から3Pを沈めると、CP3はオフェンスではしっかり時間を使いレイアップを沈め、ディフェンスでは相手のオフェンスファールを引き出す完璧なプレー。
スペインのエース、ガソル兄も最後まで奮闘したのですが、残り37秒には両チームともに選手を全員コートに送り出す所謂試合が決着したのでした。

○アメリカ107-100スペイン●


とりあえずアメリカ代表は、北京五輪に続いての金メダル獲得です。
一時は"ドリームチーム"に対して非難の声も上がっていましたが、終わってみればこの通り文句無しの結果となったのです。
一方のスペイン代表もそのドリームチーム相手に唯一100得点したチームとなったわけで、堂々とは言い難いものの見事な銀メダルになったと思います。
今にして思えば予選リーグでの不調は一体何だったのか?と思うくらいの強さをみせてくれましたね。
何度も言いますが、本来ならばこのチームにはルビオもいたのです。
本当いつまでたってもアメリカのライバル国としてあり続けてくれるでしょうね。

そしてかなり目立ったファールですが、両チーム27個ずつと計54個はさすがに多すぎですよね。
「国際試合だから」という単純な理由で片づけられる問題ではありませんが、幸いにも両チーム均等にファールがコールされているので試合の勝敗を左右したということはないと思います。
しかし、各クォーター10分の試合において27個はやっぱり多いですよね。1クォーターあたり平均して約7個ですから。


個人成績

ケビン・デュラント

38分の出場で30得点9リバウンドを記録。
結局最後の試合でもチームトップの得点を記録しましたね。
アメリカの得点が止まってしまった時間帯に1人で気を吐いていたのが印象的です。
それにしてもファールコールの多かった試合において38分とほぼ出場しているのにも関わらずファールが1回なのはさすが。
しかもターンオーバー0ですから、今後のアメリカ代表を背負って行ってくれるでしょうね。



レブロン・ジェームズ

29分の出場で19得点7リバウンド4アシスト2スティールを記録。
やはりオリンピック史上初のトリプルダブルを記録した男なだけありますね。
スタッツの通りこの試合もオールラウンドな活躍をみせてくれたと思います。
得点の方も大事な場面でしっかりきめてきており、勝負強さも見受けられました。




コービー・ブライアント

27分の出場で17得点2リバウンドを記録。
最終戦ともあっていつものように出場時間を抑えることはなく出場しました。
その結果、持ち前のディフェンス、ジャンパーを惜しみなく披露し、恐らく代表最後になるであろう試合の勝利に貢献してくれました。
なんとコービー、国際試合において31試合連続で勝利を収めているそうなんですよ。
さすが持っている男は違いますね。




クリス・ポール

32分の出場で11得点2アシスト3スティールを記録。
ファールトラブルに悩まされながらも、しっかり試合をコントロールしてPGとしての役割をこなしました。
アシストは少なくなっていますが、持ち前のしつこいディフェンスから3スティールを記録し速攻に繋げ、またまたに放つ3Pシュートも確実にきめていたと思います。
できればルビオとのマッチアップが観たかった・・・




ラブ・・・インサイドの強いスペイン相手に9得点9リバウンドは立派。4ファールとこちらもファールトラブルに苦戦しています。

メロ・・・8得点5リバウンドを記録しながらも、やはり4ファールとなっています。

デロン・・・早々にファールを3回してしまい出場時間が10分に留まっています。しかし、外れはしたものの豪快な片手ダンクをしようとしたのには痺れました。

ウェストブルック・・・あれだけ心配されていた怪我も相変わらず治癒能力で何の問題なく出場しています。普通に垂直跳びでリングにぶら下がってましたから。試合内容は2ターンオーバーとやや精彩を欠いています。

チャンドラー・・・インサイドの強いスペイン相手にたった8分しか出場していません。唯一のCも涙目です。テクニカルも取られてしまってますしね。

ハーデン・・・37秒間しか出場していませんが、フリースローより2得点を記録しています。しかし、出場してすぐだったのでボールが手につかなかったということを考慮してもフリースロー2/4は外しすぎですね。

イグドラ・・・出場してもターンオーバーやアンスポーツマンライクファールと良いところがありませんでした。

デイビス・・・37秒の出場で0得点1リバウンドを記録しています。



ということで、ロンドン五輪もこれで終了となりました。
23歳以下が何とかという議論が現在なされていますが、アメリカ男子バスケットボール代表は次の世界選手権、リオ・デ・ジャネイロでの金メダルを狙います。



※一応ロンドン五輪総括としてもう1つ記事をあげる予定です。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (レディック)
2012-08-13 13:20:27
最終戦は両雄なかなか譲りませんでしたが最後はアメリカが勝ちましたね。
スタッツを拝見させて頂いたのですが、改めてデュラントは凄いと感じました。得点はもちろんのことなのですが、チームトップの出場時間ながらファウル一回のTOが0ってのが凄いです。あれだけ笛が吹かれてたのに気づきませんでしたよ、笑

個人的にはラブが渋い活躍してたかなって思います。ファウルには苦しみましたが、要所要所でリバウンドからの得点を重ねてたので印象に残りました。
コービーは恐らく最後の五輪だと思いますが頑張ってくれましたね、お疲れ様と言ってあげたいです。

返信する
Unknown (k,s)
2012-08-13 23:34:21
決勝にふさわしい試合でしたね。前半のナバーロはとめようの無い感じでしたし、これはと思う所ありました。が!KDがそういう時に3Pをどんと決めるんですね。しかもあんだけ笛がなる(吹きすぎと思いますが・・)のなか関係無しの所にもすげー選手だなと思いました。コービーが代表から引退するとのことですので(彼の力も大きいと思います)中心となる選手になるんでしょう。個人的には好試合でしたのに実況がひどいのが残念です。NHKと安心してましたが、昔は本当に良いアナウンサー、解説でしたのに・・・
返信する
レディックさん (kdu)
2012-08-14 00:11:12
くしくも北京五輪と同じ決勝のカードでしたからね。それだけにお互いのプレイドで良い緊張感のある試合になったのだと思います。
しかし、デュラントは凄かったですね~
仰る通り得点能力もさることながら、ファールとターンオーバーが出場時間の割に極端に少ないのはやはり国際試合との相性が良いからなのでしょうかね。
なんにしてもアメリカ代表の金メダル獲得に大きく貢献してくれたことには間違いないと思います。

ラブはビッグマン不足のメンバーにおいて、唯一インサイドでスペインに張りあえた選手でしたからね。
彼のリバウンド無しにはアメリカのメダルは無かったと言っても過言ではない程、重要な働きをしてくれたことでしょう。

初耳だったのですが、さすがのコービーも代表引退ですか。
本当お疲れ様でしたね。
最後の大会を金メダルで締めることができ、彼も満足していることでしょう。
彼の意志は次世代の選手達が担ってくれると期待しています。
返信する
k,sさん (kdu)
2012-08-14 00:19:40
本当に決勝に相応しい素晴らしい試合だったと思います。
北京五輪同様の決勝カードだったのも、良い効果をもたらしていました。
スペインはナバーロ、アメリカはデュラントというのが大まかな流れだったのですが、両者ともさすがとしか言えませんよ。
最後はチーム力でアメリカが勝利しましたが、決してデュラントだけの力ではありませんからね。
それにしても、あれだけファールをコールされている中で関係なくシュートを沈め続けるデュラントはもはや才能の塊だとも思った程でした。

これでコービーの代表引退もデュラント、レブロン、メロあたりが充分に補ってくれそうですよね。
かなり早いですが、次の国際大会が楽しみでなりません。

ちなみに、僕は普段ネットで試合を観戦している為久しぶりの日本語解説が新鮮でそこまで酷くは感じませんでしたねぇ。
ラッセルブルックを筆頭に確かに変な部分はありましたが、逆に面白くて良かったと思っています。
返信する

コメントを投稿