NBA Thunder Dancer

オクラホマシティ・サンダーを応援していくNBAブログです。

1974-75 ~ルーキー主体のチームでプレイオフ進出~

2021年10月01日 | history
【ドラフト】
トム・バレーソン
3位指名で獲得したノースカロライナ州立大学出身の22歳、身長218cmのセンター。
8位指名権を持っていたソニックスはディック・スナイダーと共に8位指名権をキャブスに放出することで同ドラフトの3位指名権を獲得していました。

レナード・グレイ
2巡目全体26位で指名したCSULB出身の23歳、身長203cmのPF。
前年にアトランタ・ホークスからも3巡目にてドラフト指名を受けていましたが、同時にABAのチームからドラフト受け、結局大学に残留。
また、NFL(アメリカンフットボール)からもドラフト指名を受けており、直前まで悩みぬきバスケットボールを選択しています。


タル・スキナー
3巡目全体44位で指名したメリーランド大学イースタン・ショア校出身の22歳、196cmのSF。
NAIAリーグのリバウンド王。


ディーン・トルソン
5巡目全体80位で指名したアーカンソー大学出身の23歳、身長203cmのPF。
ABAのニューヨーク・ネッツから7巡目で同時に指名を受け、NBAを選択しました。


ウォーデル・ジャクソン
6巡目全体98位で指名したオハイオ州立大学出身の23歳、身長201cmのSF。


ロッド・ダーライン
10巡目169位で指名を受けたシアトル大学出身の22歳、身長183cmのSG。

6人のルーキーがロスターに加わり、一気のロスターは若返りました。


【オフの動き】
優秀な若手の加入と彼らの指南役を獲得するべく、昨シーズン躍進を遂げ売り時となっていたギブスを1975年のドラフト3位指名権とともにキャピタル・ブレッツにトレード。
オールスター出場経験とNBA加入後全てのシーズンでプレイオフを経験している33歳のベテラン、アーチ―・クラークを獲得。

アーチ―・クラーク
身長188cmのコンボガード。
ロサンゼルス・レイカーズ時代とキャピタル・ブレッツ時代に1度ずつ計2度オールスターに選出。
1967-68シーズンにレイカーズの主力としてファイナル進出も経験しています。
ちなみにその対戦相手で敗戦してしまったのが、現ソニックスのHC兼GMをしているビル・ラッセル率いるボストン・セルティックスでした。


ロスター
PG クラーク/ワッツ
SG ブラウン/ダーライン
SF グレイ/スキナー/ブリスカー/マクアイントッシュ
PF ヘイウッド/ジャクソン/ハンマー/トルソン
C バレーソン/フォックス


【シーズン】
開幕こそ2連敗しまうものの、そこから3連勝、4連勝としヘイウッド、ブラウンの既存戦力にバレーソン、グレイと言った若手が加わりラッセル指揮の下勝ち星を積み重ねていきます。

11月の時点でケガの影響もあり6試合の出場にとどまっていたマクアイントッシュを解雇。

しかし、シーズン中盤にロードの連戦が立て続けに行われるとともに失速。
年末に5連敗、オールスター後に4連敗、2月にも4連敗と、オーバータイムで勝ち切る勝負強さを見せながらも主力ヘイウッドのけがによる1週間の離脱や、若手ならではの軽い試合運びが影響しシーズン終了間際まで負け越しが続いておりました。

シーズン最後の7試合。
ソニックスは37勝39敗と負け越していました。
辛うじて上位にはいたもののすぐ下には同ディビジョンのポートランド・トレイルブレイザーズ(35勝41敗)がおり、ほんの少しの油断が命取りになる順位でした。

しかしソニックスはここからシーズン終盤まで怒涛の7連勝を記録。
カンファレンス1位のゴールデンスステイト・ウォリアーズと2度対戦しながらもそのどちらも勝利。
またプレイオフ進出最後のスポットをかけてのブレイザーズとの直接対決にも勝利。
プレイオフ最後の5位の座を争っていたソニックスでしたが、結局43勝39敗にて、4位のデトロイト・ピストンズを追い抜きカンファレンス4位にてシーズン終了。

ロスターの半数がルーキーという若いチームながら、創立初となるプレイオフ進出を果たしたのでした。



【プレイオフ】
対戦相手は同カンファレンス5位のデトロイト・ピストンズ。
ボブ・レイニアとデイブ・ビンのオールスターコンビを要するチームです。
2戦先取で勝ち上がりとなります。

初戦はソニックスが90-77で勝利
レイニアを15得点、ビンを11得点、チーム全体でもFG39.3%に抑え込み、
一方のブラウン、ヘイウッドのコンビが合わせて45得点を奪取する活躍で、難なくプレイオフ初勝利をあげたのでした。

続く2戦目は106-122で敗戦
前の試合とは裏腹に、FG58%でシュートを決められてしまいます。
ブラウンはチームハイの30得点を記録するも、ヘイウッドがファウルトラブルにより10得点に終わってしまいました。

お互い2ndラウンドに大手をかけた3戦目。
100-93で勝利
ピストンズのFG52.1%に対しソニックスはFG44.2%とシュートの確率が悪くなっているものの、強固なディフェンスでシュートチャンス自体を与えません。
また、出場した8選手中6選手が2桁得点を記録するバランスの取れたオフェンスでピストンズを破り、2ndラウンドへ進出を果たしたのでした。


2ndラウンドの対戦相手はカンファレンス1位のゴールデンステイト・ウォリアーズ。
シーズンの成績は48勝34敗。
オールNBA1st選出・オールスター出場のリック・バリ―、新人王獲得のジャマール・ウィルクス、2年前にソニックスに所属していたベアードが主力となる強豪チームです。
1stラウンドと違い、4戦先取でカンファレンスファイナル進出となります。

初戦96-123で敗戦
リック・バリ―に39得点を取られてしまう一方、ソニックスのチームハイはグレイの20得点。
攻守ともに全てで完敗でした。

2戦目、100-99で辛勝
ヘイウッドが28得点、ブラウンが26得点を記録しました。

3戦目、96-105で敗戦
リック・バリーの33得点を筆頭に5人に2桁得点を取られてしまい、バレーソンが46分出場26得点と気を吐きましたが、総合的なオフェンス力での負けとなりました。

4戦目、94-111で勝利
リック・バリ―の11得点を筆頭にFG35.8%に抑える好守と、ブラウンの37得点、29得点15リバウンドのバレーソンの猛攻により快勝。
シリーズを2-2のイーブンに戻しました。

5戦目、100-124で敗戦
ソニックスは7人が、ウォリアーズは6人が2桁得点を記録する互角な戦いながら、ブラウンのケガにより離脱が響き、地での力の差が出てしまい敗戦。
リバウンドで20本近く差をつけられてしまいました。

6戦目、96-105で敗戦
ブラウンは前の試合に続きケガの為欠場。
ワッツが48分のフル出場で24得点を記録するも、リック・バリ―に31得点、ジャマール・ウィルクスに20得点を許し敗戦。

こうしてソニックス史上初のプレイオフの結果は2ndラウンド2-4での敗退となりました。
ちなみにウォリアーズはこのシーズン優勝をしています。


【個人成績】
スペンサー・ヘイウッド
平均22.4得点(リーグ9位)9.3リバウンド2.0アシスト1.6ブロックを記録。
シーズン中にケガによる離脱があり、昨シーズン程のパフォーマンスはできなかったものの、チーム史上初のプレイオフ進出に大きく貢献。
個人でもオールスターに4年連続5度目の出場を果たし、オールNBA2ndチームにも選出されています。


フレッド・ブラウン
平均21.0得点(リーグ15位)4.2リバウンド3.5アシスト2.3スティール(リーグ5位)を記録。
ヘイウッドとともにチームの二枚看板として、チーム史上初のプレイオフに貢献。
特に平均得点は約5点程伸ばしており、オフェンスの要として非常に重要な役割を果たしています。
またオフェンスだけでなく、ディフェンスでも成長を見せ、それがスティールの多さにも表れています。
素晴らしいシーズンではあったものの、プレイオフ最終盤でケガの為欠場してしまい、個人としてもチームとしても煮え切らないまま終わってしまいました。
シーズン中は1試合のみの欠場となっています。


アーチー・クラーク
平均13.9得点3.1リバウンド5.1アシスト(リーグ12位)1.4スティールを記録。
シーズンを通してそのほとんどを先発で出場。
ベテランとして、そしてプレイオフ経験者として獲得されたその期待にしっかりと応えてみせました。
PGながらシュート確率が高くFG49.5%はリーグ13位となっています。
チーム全体としてはもちろんですが、同ポジションで尚且つ若手のワッツにとっては最高の指南役となってくれました。


レナード・グレイ
平均11.5得点6.4リバウンド2.2アシストを記録。
シーズン序盤こそベンチスタートでしたが、先発に抜擢されるとルーキーながらインサイドで活躍。
12試合でダブルダブルを記録し、プレイオフでは臆することなくウォリアーズ相手に20得点も奪取しています。
シーズン中FG100%の試合が2試合あり、一方でシーズンではFG48.9%と波のある選手となっていました。


トム・バレーソン
平均10.1得点7.0リバウンド1.4アシスト1.9ブロック(リーグ8位)を記録。
シーズン中盤まではベンチと先発を行ったり来たりしていましたが、2月の中旬から先発に定着。
オールルーキー1stチームに選出されました。
シーズンが進むにつれて徐々にNBAの水に慣れていき、3試合連続のダブルダブルや28得点試合、シーズン最後の7試合では6試合で20得点オーバーを記録。
そしてプレイオフの9試合では平均20.7得点10.7リバウンドを記録する等、ルーキー主体のチームに置いて特にその存在感を見せました。


ジム・フォックス
平均9.0得点6.5リバウンド1.8アシストを記録。
バレーソン代わるまで先発で出場しており、2月から主にベンチスタートとなっています。
ベンチスタートになって以降それに伴い出場時間も減り、成績も下降してしまいました。
最後の7試合とプレイオフでは1度も10分以上の出場時間が与えられず、31歳という年齢により世代交代の波に負けてしまった形です。


ジョン・ブリスカー
平均7.7得点1.6リバウンド0.9アシストを記録。
1月31日に28得点をベンチから記録するも、シーズンを通して21試合の出場にとどまり、2月14日以降は戦力外としてコートに立つことはありませんでした。
シーズン終了後FAとなり、そのまま引退となりました。


スリック・ワッツ
平均6.8得点3.2リバウンド6.1アシスト(リーグ8位)2.3スティール(リーグ4位)を記録。
2年目の選手ながら若手主体のチームの一員として大きく貢献、
レギュラーシーズン82試合とプレイオフ9試合の全てに出場。
パスとディフェンス主体のプレイスタイルながらクラークの影響もあり、昨シーズンに比べ大きく改善されシーズン前半はベンチから、後半は先発として活躍。
14試合で2桁アシストを記録するなど、自ら得点せずともチームメイトに得点環境を作りオフェンスの潤滑油としてなくてはならない存在でした。
2月23日には13得点6リバウンド14アシスト9スティールというあわやトリプルダブルの記録も残しています。


ロッド・ダーライン
平均5.6得点1.0リバウンド0.8アシストを記録。
主にベンチスタートでブラウンの控えとして出場機会を得ていました。
シーズンハイとして20得点を記録しているものの、基本的にはチームのエースであるブラウンの休んでいる少しの時間のみの出場となり、まとまった出場時間は得られていません。


タル・スキナー
平均4.8得点4.7リバウンド1.2アシストを記録。
主にリバウンダーとしてベンチから出場。
21.6分の出場でローテーション入りし、レギュラーシーズンでは10度、プレイオフでは9試合中1度の2桁リバウンドを記録しています。


ウォーデル・ジャクソン
平均4.3得点2.4リバウンド0.5アシストを記録。
56試合に出場し16.8分間プレイしましたが、シーズン中盤特に2月以降は出場時間が極端に少なくなり、プレイオフでは出場機会さえ与えられませんでした。
シーズン終了後FAとなり、そのまま引退しています。


ディーン・トルソン
平均2.3得点1.2リバウンド0.3アシストを記録。
19試合の出場にとどまり、シーズン終了後EBA(別リーグ)に移籍しています。


ジョン・ハンマー
平均2.2得点2.4リバウンド0.9アシストを記録。
43試合に13.2分出場、FG38.0%と決して満足する出場機会にそれに見合った活躍ができていたわけではありません。
しかし、プレイオフの9試合中6試合に出場する等数字に表れない貢献でラッセルHCの信頼を勝ち取っていました。


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