先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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当時の職場ビラの紹介① 尚工舎(シチズン)時計工場争議 1926年の労働争議(読書メモ)

2023年03月29日 07時00分00秒 | 1926年の労働運動


上・東京芝三田の尚工舎時計工場争議の職場ビラを書き写した物
(1926年)

当時の職場ビラの紹介① 尚工舎(シチズン)時計工場争議 1926年の労働争議(読書メモ)
参照 「協調会史料」

(尚工舎職場ビラ)
尚工舎従業員諸君に急告す

          ――賃銀値下げに反対せよ!!
尚工舎従業員諸君!!

 常に口に温情主義をとなえて、内心労働者を誤魔化す事を研究している悪資本家山崎亀吉の尚工舎では、昨年八時間制を採用すると言って、その実諸君の賃銀に二割値下げの暴挙を断交した。こんなベラ棒な八時間制は何処にだってありはしない。その時諸君はおとなしくこれに服従していた。それに味を占めた尚工舎は、今また六時間制の採用と言って、又々賃銀二割値下げという空前の横暴振りを発揮して諸君の生活をいやが上にも苦しめている。

 今もし諸君がこうまで残酷な態度に対して泣き寝入りをするなら、資本家は益々つけ上がって此の次には何を言い出すか、諸君をどこまで苦しめるか知れない。もう一割下げられたら諸君は以前に比べて半分の賃銀しか取れないことになる。

 しかし、諸君 !  我らは、諸君の生活を擁護する為には、あらゆる応援をしよう。同じ尚工舎の戸塚工場の従業員はすでに我が組合に加盟している。
 諸君も団結せねばならなぬ 速やかに団結せよ!!

注意―会社は、組合に加入した人は工場法によって警視庁に届けなければならぬとから名前を申し出よと言って脅かし、諸君が組合に加入することを妨害しているが、全然会社の誤魔化しだ。工場法にそんな馬鹿な条文は絶対にない。

大正十五年一月十五日
日本労働組合評議会  関東金属労働組合
芝区三田四国町二ノ五

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シチズン
シチズン時計株式会社は1918年、現在の高田馬場に尚工舎(しょうこうしゃ)時計研究所という社名で誕生した。1921年(大正10年)に尚工舎時計学校を創立した時計メーカー。

尚工舎(シチズン)時計工場争議
1926年1月14日~30日

本郷駒込の尚工舎(しょうこうしゃ)時計金属工場は、貴族院議員山崎亀吉による個人経営の労働者170名が、時計及び貴金属の製品を製造する工場。会社は前年に8時間労働を実施すると称して実質2割の賃下を断行したにもかかわらず、1926年1月11日、再び不況を理由に一日8時間勤務を更に6時間に短縮し、その分の日給を下げてきた。この非道な賃下げに反対しようと、尚工舎の労働者16名が関東金属労働組合に加盟し、1月14日労働者代表2名が小石川区の山崎亀吉宅を訪問し、労働時間短縮・賃下げの撤回を要請したが拒絶されたため、翌15日に上の職場ビラを全労働者に配布し、会社には以下の陳情書を提出した。
陳情書
一、時間短縮の短縮
一、短縮しない時は、6時間作業に対して8時間の賃金を支給する事
一、請負作業者に対しては6時間作業に8時間分の材料を与える事

会社は即座に拒絶してきた為、組合は全労働者に組合加入の説得を行った。1月27日に至り、約60名が組合に加盟し、翌28日午後1時より全労働者170名がサボタージュ闘争に入り、更に午後5時には全員が一斉に工場を退場した。170名は29日もサボタージュ闘争を続けた。
(その後ストライキと記録にはあるが、その詳細な経過と結果は不明)



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