広島十二段屋の雛人形・五月人形商戦記

雛人形・五月人形の商戦を戦う広島の十二段屋サイト管理人の日記です。

3杯のお茶と、ニシン蕎麦と、雛人形職人の熱い想い。

2008年06月22日 16時02分15秒 | 日記
京都訪問で得られたこと。

3杯のお茶と、ニシン蕎麦と、雛人形職人の熱い想い。

各地の雛人形展示会が終盤に差し掛かる頃、京都へももちろん訪問しました。
そこでのお目当ては、尊正雛人形工房

作ったお雛様で喜んでもらう。それを生きがいにしている、現代では珍しい心意気の職人さんとお話ができました。

節句人形工芸士と言う資格をご存知でしょうか?
人形協会に加盟し、かつその工房からの推薦を受け、ひなにんぎょうの工程を全てひとりでこなし、ひとつの人形を完成できる人に与えられる資格です。

その節句人形工芸士でも、生産ラインでは分業のひとつに加わり、すべてを自分ひとりで作ることはありません。
すべてを自分で作るときは、コンクールなどで、自分の技術を試すときだけです。

しかし、ここ尊正工房の片岡さんは、人形の胴体に関して、寸法取りはもちろん、生地の裁断から、裏張り、縫製、着せ付けまですべてひとりでやってのける雛人形をコンクール向けとしてではなく、一般の消費者向けに作っています(協会に加盟していないため、資格はありませんが)。

もちろん効率は悪く、日々、自らの蓄えを食いつぶすほど。

『それでもいい。』

小さな女の子に渡った雛人形で、笑顔が一つ増えれば、それが一番の満足と、今の雛人形職人には探しても見当たらないような、職人魂を聞かせてもらいました。

そんな熱い想いをもった職人の作る雛人形はその生産数の少なさから、ほとんど出回っていません。
十二段屋雛人形を覗いてみてください。

きっと11月には想いのこもったひな人形が並んでいることでしょう。。。

おいしいニシン蕎麦、ご馳走様でした♪

ひな人形価格上昇の訳

2008年06月22日 14時20分13秒 | 日記
来期のお雛さま販売価格はやばいですね~。

各地の製造元展示会を一通り見終わったのですが、、、
その結果は、流通価格が上がっていない製造元がない。

つまり、すべての製造元からの商品額が、上がっています。

大きいところでは、なんと2割も昨年に比べて上昇しています。

物価高です。


流通コストはもちろん、塗料、木材、金属など、すべての材料の価格が上がっています。
結果的に、製造元からの出しの金額が5%~20%まで上昇していますが、製造元への材料費の上昇を聞けば、良くそれで抑えられていると思うほどです。

製造元が原材料を仕入れる原材料費、昨年と倍ではすまないくらいあがっているらしいです。
よくよく聞けば、たった1ヵ月ほどで倍になるくらい、今ではあたりまえだとか。

お財布の中身は、減っていく一方なのに、物の価格は上がりつづける。
これじゃあ、ほんと来年どころか、先が見えません。

どうなっていくのでしょうか?

そういえば、我が家のクワガタは、暖かくなって食欲旺盛です。
聞けば、カブトムシ・クワガタ産業も、一昔前のように高値で取引されることはなくなり、氷河期を迎えているようです(笑。
ペットブームに乗った虫たちも、現在ではあふれかえり、また、見向きもされなくなってきているのでしょうか?

まだしもめだかのほうが、現在では、もてはやされているようです。
どうやら、めだかは癒しの部分も大きいですし、女性からも子供からも支持されているようです。
しかもめだかは餌代がほとんどかかりません。
一方、クワガタは、お金のかかる専用ゼリーを次々と平らげていきます。

とどめを刺すように、クワガタを飼っている容器の中では、大量のダニが発生し、相方からにらまれています。
湿度の高い梅雨時期だから、余計に心配になりますね。
やばい、やばい。

京雛頭師 藤澤瑞馨先生にお会いする機会に恵まれました

2008年06月21日 11時52分20秒 | 日記
伝統工芸士 藤澤瑞馨先生に、幸運にもお会いすることができました。

『藤澤瑞馨』といえば、雛人形の頭師でもとびきり高名な京都の伝統工芸士です。
頭師とは、雛人形お顔を作る職人のことです。
日本一といわれる川瀬猪山の弟子として修行後、独立し、現在では息子さんと2人で、雛人形のお顔作りをしていらっしゃいます。

松寿雛人形工房新作雛人形展示会にお邪魔したときのことです。

松寿雛人形工房は、小出松寿先生率いる仕立ての丁寧さが評判の工房です。
ここで作られる雛人形は本当に不良(悪い個所)がなく、売る側にとっても、もちろん買う側にとっても安心できます。

衣装デザインの長山さんとお話をしているとき、『今日は藤澤瑞馨先生がきているから、ほらそこに。。。』、『うはっ♪ラッキー!写真とっておこ。』ということで写真を撮らせて頂きました。

んで、そこでは、それ以上お話する機会はなかったのですが、夕方になると、小出松寿先生から(宿泊ホテル)まで連れて行ってあげるから、と。

そして、小出松寿先生の車に乗り込んだときに、先ほどの藤澤瑞馨先生が同乗され、さらに飯でも食おうということになり、小出松寿先生行きつけ?の居酒屋にGO!
京都の現状やら、なにやらあれこれお話してくださいました。

オフレコの部分がほとんどのため、お話の内容は掲載できません。
はっは!

松寿雛人形工房へ

2008年06月17日 09時10分27秒 | 日記
明日は、松寿雛人形工房の展示会です。

松寿工房は仕立ての良いことが評判で、噂によれば、『ここの工房で造ったおひなさまを買ってきて、分解して、仕立てをそっくりそのまま真似る工房が何件かあるらしい。』ようです。

長年の経験から生み出された微妙な裁断寸法だけでも、その工房の宝物ですが、それを盗むのは感心しないことです。
それぞれ工房独自の特徴をもった雛人形を作り出すことは、買い手にとっては選びやすく、良し悪しを決める材料になりますが、パクリで似たようなお雛様がその下をくぐる価格で出ることは、その後のことを考えると仕入れる気になりません。

しかしながら、雛人形業界に限らずよくあることです。
この業界で顕著なのが、台と屏風。

どこかの工房が、目を引くようなすばらしいデザインの台と屏風を5月に発表すると、9月に行われる後発の展示会で各工房に同じようなデザインが並ぶ。
こんなこと、しょっちゅうです。

なんとかなりませんか!?

といったところで、始まりませんので、明日から大阪・京都の工房をまわり来年の節句商戦に向けて、品定めに励みます。
工房だけでなく、十二段屋雛人形もどうやら、狙われて(真似られて)いるようですから。

負けないようにがんばります!

雛人形の販売価格がやばい!?

2008年06月16日 10時13分14秒 | 日記
この時期、雛人形展示会が各地で催されていますが、う~~ん、やばいですね。
原材料高騰のため、ほぼすべてのものが値上がりしています。

お雛様は、かろうじて2~3%の値上がり。
頭(お顔)は5~6%。
道具や台、屏風に至っては、1割値上がりしています。

台と屏風の塗装はウレタン塗装がほとんどで、原油高騰のため、塗料自体が値上がりしているようです。
さらに台と屏風の素材である中国産の桐の木の価格が跳ね上がっているようで、材料自体が入ってこない製造元もあるようです。
原油高騰のため、輸送費もあがっています。

ご存知のように、金属類も天井知らずで値上がりしています。
人形に使う生地自体もポリエステルを使用したものが多く、これも石油から作られるためやばいです。

業界自体、高齢化が進み、商戦時は寝ることもままならない忙しさで、後継者がいない、育たないそんなご時世ですが、消費者からは少量多品種が求められ、製造元の負担が大きくなっています。

どのアイテムも原材料は一割ですまないほどあがっています。

仕入れて販売する立場からは、数をまとめロットを増やすことで価格交渉をし、雛人形の値上がりを抑えれるよう極力、努力しますが、なかなか難しいですね~。

さあて、どうしよう。。。