※〜※ 浜田省吾 『悲しみは雪のように』の一節
愛という名のもとに……大ッキライな甘ったるいドラマだった。何時までも同年代の決まった仲間としかコミュニケーションが取れない……そんな時代のさきがけとなったドラマだった……。
若い年代の社会病理として有名な『愛という名のもとに症候群』と名付けた社会学者もいたっけ……。
吉田拓郎のバックバンド演った後、バンド『愛奴(あいど)』でもイマイチ…そしてソロで中々芽が出なかった浜田省吾を世に送り出したのがこのドラマの主題歌『悲しみは雪のように』だった。
※ 君の肩に悲しみが
雪のように積もる夜には心の底から
誰かを愛することが出来るはず
孤独で 君のからっぽの そのグラスを
満たさないで……※
ネチネチした若い男女のラブソング?なーんて思っていたら少々趣が変わるのが二番の歌詞である。
※……君は怒りの中で
子どもの頃を生きてきたね
でも時には
誰かを許すことも 覚えて欲しい
泣いてもいい
恥じることなく
俺も独り泣いたよ……※
※……君は怒りの中で
子どもの頃を生きてきたね
でも時には
誰かを許すことも 覚えて欲しい
泣いてもいい
恥じることなく
俺も独り泣いたよ……※
それもその筈……彼の母親が脳閉塞で倒れた事を切っ掛けに母親に向けて作った歌だったという……。
母親の幼少期の辛い体験を聞かされていたのかも知れない……?そんなニュアンスが思い浮かぶ。
※……君の幻想(ゆめ) 時の中で
壊れるまで 抱きしめるがいい…
悲しみが雪のように積もる夜に……※
※……君の幻想(ゆめ) 時の中で
壊れるまで 抱きしめるがいい…
悲しみが雪のように積もる夜に……※
『俺も独り泣いたよ……』……家出してから売れない不遇の時代を長く味わい……自分を産んでくれた母親の生い立ちから自分を育てた苦労を……彼がリアリティを以って想像出来る様になったから書けた曲だった?そんな想像をするオッサンの深夜である……。
『誰かを許すことも 覚えて欲しい』……『怒り・憎悪』を抱え続けて生きるのはとても苦しい。
自分がその自分の憎しみに食われてしまう?
それくらい怒りは自分を動けなくするのである。
前に進まなきゃ!!……その古い怨念に縛られたまんま、フリーズした怒りを解凍してはアップデートしながらその過去に生き続けなきゃならなくなるのだから……。
『嗚呼……裏切りの意味さえも知らないで…』と浜省は『路地裏の少年』の中で歌っている。
彼もまた何回も何人にも裏切られ、その憎悪や惨めな不遇時代の時間を通り抜け……『誰や彼を許した』んだろう……。
一年二年の瞬間時間のパーツだけじゃなく……ソレを繋げて一つの物語として生きて来た全体を見返せば……人は自分にも他人にも少しばかり優しくなれるんだと思う……。
その場、その時では解決しようがない悲しみとか怒りとか理不尽……ソレが大きく長いほど、後になれば得られる優しさも大きく深くなる?……。
きっと人生にはそういう定理ってあるんだと僕は思う様に…なった。