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サンチョパンサの憂鬱

昼下がりのサンチョパンサ(2)……自らは手を下さない悪意たち

一昨日……久し振りに本屋さんへ足を運んだ。
いい歳をしてアニメのキングダム単行本を買う為だった。

ついでに文庫本で村上龍の『愛と幻想のファシズム』上下巻も買った。

不思議だったのは?全く分野が違うアニメと三十六年も前に書かれた小説にそっくり文意がシンクロする部分に出会した事だった。

先般より友人との会話で……一番の問題は……善人を気取る小市民の『何もしないで無難に傍観する悪意』だよね?と話していたことそのものの記述だったから少なからず驚いたのだった。

アニメのキングダム……冷酷無比の桓騎将軍の少年時代の台詞から……☆〜☆

☆……『この世には高い所に立って好き放題やるバカ共とそいつらの犠牲になる底辺の者達とその中間の者達がいる』……底辺のお前達の仇(かたき)は高い所にいる奴等だと思っているだろうが……本当はそうじゃない。

底辺が本当に怒りを向けるべき相手は……『無関係を決め込んでいる中間の奴等だ』……えっ?
その中間の普通の人たちって底辺の自分らに『何もしないよ?』……と仲間の子供が言う。

『ああ……何もしねえ』……世の中で数が圧倒的に多い中間の奴らが『何もしねえから世の中の構造が変わらねえんだよ』……そいつらは(底辺を痛めつけてる構造と)無関係じゃねえ、関係大有りだ!……そいつらこそ全身の生皮はいでも足りねえクソ野郎共だ!!……☆


まさに今のニッポンの構造そのモノを語ってるんじゃね?と思わないか?


☆〜☆……1986年当時の小説、村上龍の『愛と幻想のファシズム』の中のファッション広告のキャッチコピーとして書かれている一節

☆……世の中にはニ種類の人間がいる。
普通の人々と選ばれた人々だ。……
現在の全ての問題は普通の人々が力を与えられ過ぎていることから発生している……☆

ガーシーとやらに投票する一票も切実に投じられる一票も一票……。

『当事者感覚も能力もない多数』が稚拙極まりない扇動、プロパガンダに軽く乗り『力を行使する』のである。

小泉劇場に酔いしれて舞い上がり雪崩を打って投票した普通の人達。
『シングルマザーや少年少女の自殺』を増加させ『派遣貧困』、『格差』を招き、『ヤングケアラー』なる摩訶不思議な呼び名を創出させた普通の人達。

明日の我が身を知らぬまま、未だに『自己責任!』と叫ぶ『普通の人達』の一票は一票なのである。

☆……錯覚が支配しているのだ。俺達は大東亜戦争後、幸福な幻の中で生きてきた。
養鶏場のブロイラーが見る幻だ。……中略……

……テレビのレポーターを射殺したい。
新聞記者を射殺したい。
ディスクジョッキーを射殺したい。
全ての評論家を射殺したい。
政治家を射殺したい。教育家を射殺したい。
坊主を射殺したい。労働運動家を射殺したい。

世界を養鶏場から野生に戻す……☆

ハンナ・アーレントの言う『凡庸なる無知の大罪』を今一度考えなければならない時が来ていると思う。
時間はそんなに残されてはいない。
何故か?……密やかに人が死に始めているからである……。

ヒトラーに、ヒムラーに、ゲーリングに、力を与えたのは当時の名もなきドイツの多数派の凡庸なる無知なる人々なのである。


今日も、この国ニッポンで、ニュースにもならずひっそりと死を選択した人達がいる。
明日、明後日にも決行されるかも知れぬ自殺の選択に靡こうとしている人達がいる……。

『何もしないこと』、『放置・傍観』は何か悪事を働くことより大きな罪かもよ?ってことである。

過去、ドイツの凡庸なる無知の大衆がヒトラーにホロコーストを行わせた。
今、ニッポンの善良そうな小市民の大衆は……
一年に二万人の人を自殺させるという『静かなホロコースト』の『真の実行者』その一人ひとりなのである……。

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