サンチョパンサの憂鬱

にわか異邦人

江崎漁港、今では平成の大合併で萩市となった。田万川を過ぎて少し、平凡な海岸線を淡々と走ると湾の一番入り込んだ所にある漁港……。

旧くなく新しくもなく、飯浦漁港に比べて特色も風情も乏しく感じた……。取り上げるモノもにべもない所がそれはそれで自分をにわか異邦人に仕立てあげてくれるのだった。

この漁港の側にR191沿いに……グルニエという喫茶店?カフェ?がある。
写真館と薬局と一体となった建物。
オーナーは共通の人?らしい。

昭和の時代、ガロの学生街の喫茶店ってな風情そのままに、コーヒーを飲む。よくワッフルと一緒に頼んだ。

店内には萩焼きの器が並べられている。何人かの作家の作品らしくニュアンスはそれぞれ全く違う……。
この店が今も……在って欲しいとは通過者の独り善がりだ……。

時にはギャラリーとなり作家展をやってた事もあった……。町興し?見たいな取り組みなのかも知れない。
身勝手な通過者としては、時代から『置いて行かれた感』が良いのだけど……。

益田からずっと走って……コーヒーを飲むのにやっとそれらしい店があったぞ!的な感じで当時僕には必須ポイントの場所となっていた。

その手の店主とは違って、トコトン放置してくれるサービスも嬉しかった。
当時の行き詰まった金策の悩みはここでアレコレと思索したのを思い出す……。

旧いカメラとか、何かの機械部品なんかも、理科室の標本化石といった趣で陳列されていて、とても落ち着けたのだった。

『変わらない』のか『変われない』のか……その初老の婦人のポーカーフェイスからは読み取れなかった。

しかし陳列されている萩焼きは何時も変化していたし、ドッコイ生きてるぞ!……そんな気概は感じられた。
優雅なのか?退屈なのか?……あんたなんかに読ませはしないわよ……といった感じの喫茶店……時間を作って今度行ってみたいと思う……。

いつの間にか島根県から山口県にかわっていた?……そんな頃合いにひっそりと現れる不思議空間グルニエ……である。
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