ソコソコってある様でない仕切りが人間界をやたら複雑に見せている。
このプライスでこの中身……よくも悪くもないそんなワイン、人間……。
んで?良くも悪くもない結果を得る。
第一次ワインブームの時に……安いけど優れていると呑まされたワインはモーゼルのシュワルツェカッツ、黒猫と呼ばれる安価なドイツワインだった。
このワインを飲んだ時の旨い!という衝撃を越える経験は未だない。
人の舌は慣れるのである。その今の自分のレベルと落差ある味わいには出会えてない。
ソコソコの味。ソコソコの振る舞い。ソコソコには落差がない。印象という点ではクソ不味い奴がまだ後に残る。
ソコソコのワンピ。ソコソコのニットにアウター、シューズ……世の中にはソコソコが溢れている。モノも人間も……。アリキタリ……安易だなぁ。
ソコソコがソコソコと出会ってソコソコの経験をしてソコソコに過ぎ去っていく……ソコソコの人生。
あの時の自分って凄い!
そんなアクセントをつけてみる事も大切かな?……そんな気がする。
無いカネをはたいて学びに行ったワイン……その金額より覚悟は凄い!良くやったな!と思う。
だからこそ……そのインパクトは一本数万円のワインより痛烈な印象を僕にくれたのだ。
時に……ソコソコに決別する覚悟が人生を変えるのである。
ソコソコのモノを十回我慢して……『コレだ!』を一度味わってみる。
それだけでソコソコを何回味わっても辿り着けない『桁違いのレベル』を経験出来るのである。
ソコソコには……歓喜がない代わりに落胆も残念もない。
……にしては?程々に良いよねというコ・ス・パ根性を横に置いて……『俺は感動したいんだよ!』と何を置いても欲しがって見る。そんな試みを忘れてはいないか?
没個性を数で補おうとするアイドル軍団のソコソコの世界に飼い慣らされてはいないか?
そんな昨今……クソ下手な癖に妙に聴かせた越路ふぶきさんのサン・トワ・マミーなんぞ聴いてみるの良いかもしれない。
個性を売り飛ばしてのソコソコ『無難という無味無臭』の集団って……何処か作業場に向かう奴隷集団の様な趣が漂っていて何故か?哀しくなっちまうのである。