舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

漫画 浅野いにお「うみべの女の子」読みました。

2021-09-17 22:43:58 | Weblog
浅野いにおさんの漫画「うみべの女の子」が2021年に映画化され、ちょうど9/16(木)に観てきました。
映画「うみべの女の子」観てきました。





それで原作漫画も読みたいなと思い、翌日9/17(金)にぺがさす荘に行って、ゆっくり読んできました。



中学2年生から3年生にかけて、小梅と磯部の二人が、若さ故にコントロールできない感情や性欲を暴走させて、セックスしたりすれ違ったり衝突したり傷つけ合ったり、それでも惹かれ合ったりしながら、やがては卒業して離れ離れになっていく。
真面目な野球部の男子や芸能人の追っかけをしている女子、普通に「ガキ」な中学生達の世界のすぐ隣で、女の子に手を出しまくっている不良の先輩もいるような生々しい地方都市の風景描写の中で、隠れてセックスしまくっている中学生の2人のヒリヒリしたドラマが描かれていきます。

映画を見てから原作を読むと、原作の方が性描写が過激な部分がかなりあること、実際に人が演じるのではなく、あえて「漫画」で表現することで過激さが際立つこともあることに気付かされました。
また、そもそも小梅は先輩に手を出された苛立ちから衝動的に磯部とセックスしてしまうという、決して美しくない気持ちから二人は繋がるのですが、そういう繊細な気持ちの描写は漫画の方が強く伝わってきたなあと思いました。

その一方で、映画は漫画ほどの過激さが表現できない分、役者の演技力によって、登場人物の内面の闇を深く掘り下げていた部分もあったので、どっちにも良さがあったと思いました。
すでに20代なのに体当たりで中学生の役を自然に演じた石川瑠華さんと青木柚さんが、まるで本当に浅野いにおさんの漫画で描かれるような表情を見事に表現していたことに気付かされたりもしましたね。

それにしても、決して美しくない欲望や衝動で近付いた気持ちが、やがて恋へと変わっていくのですが、そのことに気付いた時はすでに2人の関係が変わっていて結ばれない、という体験は実際分かるなあと思わされ、ラストは切なかったですね。
とはいえ、そんな進んだ恋愛を中学生がしますかね!!まあ、それも一つの浅野いにおさんなりのパンク精神だと思っています。
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