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舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画「まつりのあとのあとのまつり まぜこぜ一座殺人事件」観てきました。

2025-04-04 22:26:24 | Weblog


4/4(金)、ユナイテッド・シネマ新潟で「まつりのあとのあとのまつり まぜこぜ一座殺人事件」を観てきました。

まぜこぜ一座とは、女優の東ちづるさんが立ち上げた、様々な特性を持った表現者たちが出演する劇団。
今回、初めて映画を作って全国を回っているそうで、この日は新潟上映の初日。

冒頭、まるでヒッチコック監督のように東ちづるさんが登場して語りだす。
東ちづるさんは長年女優をしながら、社会運動にも長年関わってきた。

そして、エンターテインメントの世界からマジョリティとマイノリティの垣根をなくすためにまぜこぜ一座を立ち上げる。
いつかそれを当たり前にするために最終目標は解散だという。

その後、「バリバラ」でお馴染みの盲目の落語家、桂福点さんの講談風の語りによって、まぜこぜ一座の舞台のダイジェスト。
障害者も性的マイノリティも様々な特性の表現者たちがまるでサーカスのように入り乱れる舞台は圧巻で、日本のエンターテインメントはここまで自由に表現できる!という挑戦を感じました。

さて、今回の映画では、そんなまぜこぜ一座の楽屋で座長の東ちづるさんが殺される。
長年サスペンスで美人女将として推理をしていた東ちづるさんが、殺人事件の被害者になるという設定からして面白い。

そこで、まぜこぜ一座の劇団員たちの推理合戦が始まるのですが、登場する容疑者も、低身長、ドラァグクイーン、性的マイノリティ、ダウン症、車椅子など特性は様々。
推理の中でそれぞれが自分の特性を語りだし、次第にその言葉は社会の偏見に対する本音の訴えとなっていく。

興味深いのは、たとえマイノリティ同士だとしても、自分と異なる特性を持った相手に対しては誰もが偏見を抱きがちということ。
そして、障害者などのマイノリティはでまるで天使のような善人として物語の中で描かれがちだが、それすらも偏見で、実際はそれぞれ複雑な気持ちを持っていることも描かれる。

その言葉は、まぜこぜ一座を推し進めてきた彼ら自身、そして被害者である座長の東ちづるさんに対する公開セルフ反省会のようになっていく。
さらにその言葉は、この映画では最早マイノリティである3人の健常者へとぶつけられる…と思わせて、どんでん返し的なオチのあと、最後は映画を観ている観客に問いかける、という構成。

社会派でありながらギャグも満載のコメディでもあり、笑って元気が出る映画でした。
驚きなのは出演者の多様さ、豪華さで、マメ山田さん、三ツ矢雄二さん、ダンプ松本さんをはじめ、意外な場所にも有名な俳優さんや声優さん達が多数出演し、みんなが仲間となってこの物語を作り上げている感動も伝わってきました。

まぜこぜ一座というお祭りを、マイノリティもマジョリティも、マイナーもメジャーも関係なく、様々な表現者をグイグイ引き込む東ちづるさんは、まさに行動力の塊のような方でした。
しかもみんなが楽しんでいるのが伝わってきて、いつか社会全体がこんなに自由になればいいなと思いました。





上映後の舞台挨拶では、東ちづるさんと、まぜこぜ一座に出演経験もある三条市出身の全盲のシンガーソングライター、佐藤ひらりさん、そしてちゃんと手話通訳の方も登壇。
東ちづるさん曰く、プロの撮影隊でもマイノリティの人達の撮影はまだ慣れていなくて尻込みしていたそうなので、この映画が世の中が変わっていくきっかけになればいいなと思いました。





最後は佐藤ひらりさんが「アメイジング・グレイス」を歌ってくれて、初めて生で聞けたのですが、どんどん歌に引きこまれていくほど感動しました!
そんな佐藤ひらりさん、いつか全盲のシンガーソングライターという肩書がなくても評価されるくらいの歌手になるのが目標だそうで、この日も本当はもっといいマイクで聞いてほしかった!是非ライブに来てください!という向上心を見せていました。





東ちづるさんは「こわれ者の祭典」にも出演してくれた縁もあり、この日は月乃光司さんや、脳性マヒブラザーズの周佐さん、大吾さんも観に来ていて、(何故か「鬼滅の刃」の前で)記念撮影!





そのあと、東ちづるさん、佐藤ひらりさんとも記念撮影!ありがとうございました!



ユナイテッド・シネマ新潟での上映は4/10(木)までなので、是非ご覧ください。

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