goo blog サービス終了のお知らせ 

黒仁庵 ポケットにバイクを忍ばせて。

五感で感じる情報を、どうしたら活字に出来るか、考えてみよう。
それが出来ると、五感が研ぎ澄まされるって不思議がわかる。

DR600 は何故ゆえ遭難しそうになったのか その⑥

2018年09月08日 | バイク
その6

とろけるカフェオレとタバコを吸いながら、発泡スチロールのブイに座り辺りを見渡す。
「ここは誰も来ないだけに、大陸半島からの漂流物だらけで汚いぞ。パラダイスじゃなくてインフェルノだ。天国と地獄は表裏一体だ」バカなことしか頭に浮かばない。

「おお、あれは?!」赤い何かの床マット?
これをリアタイヤで踏んづければ、砂に埋もれない。
普通はね。「タイヤ下に異物を置いて、駆動時に潜り込まないようにする」のが泥道でも砂地でも、スタックの脱出法です。

DR600は、軽いとは言え装備重量で160kg以上ある。
傾斜30度(私目算)で160キロの車体を、床マット2つで頂上(5mくらいか)まで押し上げるのは「体力的に」無理、と判断している。
(この体力的とは、純粋な筋肉の情報量+灼熱の太陽全身浴びによる新陳代謝機能フル作動のことだ)
しかーし……「バック」も出来ない。前後タイヤが埋もれて、ハンドル持ってリアキャリア持って、セーので「フーンッ!!」ってしても自重でまた埋まるんだ。
本当に「下がるしかないから、せめて『フーンッ』のためにマットを後ろに敷いた。
おっと……ここに来てウシアブが黒瀬をターゲットにしだした。ウシアブは嫌いだ。ウシアブは牛と間違って人を刺す。バカなのかなんなのか……とにかく正確には「鋭い歯で皮膚を切り血を吸う。血が固まらないように毒注入……極悪昆虫」である。
泣きっ面に蜂、どころじゃない。「遭難しそうオッさんに虻」だ。Tシャツ1枚になってたが、またライダージャケットを着込むことになる。
続く。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。