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黒仁庵 ポケットにバイクを忍ばせて。

五感で感じる情報を、どうしたら活字に出来るか、考えてみよう。
それが出来ると、五感が研ぎ澄まされるって不思議がわかる。

太陽の音楽が聞こえる。

2017年08月27日 | バイク

子供の頃は、夏が好きだった。
夏休みという付加価値は、子供にとって永遠のパラダイスシーズンと刷り込まれる。
いつも思うがバイクは屋根がないので、走行中は晴れてる限り灼熱の太陽にされされる。

暑い時に扇風機をつけると幾分涼しい。
何故か。
人体には皮膚の周りに空気の層がまとわりついていて、移動する時もこの空気の層も同時に移動する。 この空気の層は体温とほぼ同じ温度だが、寒い冬などは外気温の差で常に冷却されているが、暑い時、例えば気温34度だった場合、体温との温度差は「2度」しかない。
空気冷却でこの2度はほとんど関係ない。扇風機は強制的に空気の層を除去する作業をする。ただ吹いて来る空気温が34度だったら、おんなじ。全く涼しくない。
バイクで走る時も一緒で、走行中の風なんか「熱風」が吹き込んで来るだけの話なんだ。
「夏バイクは良いですね。涼しいでしょう」
違うんです。
と、言うわけで夏の暑さは大っ嫌いだが、子供の頃の刷り込みにより、ヤッパリなんだか夏は嬉しい貯金が利子付きで減らない。



どう言うことか………

青い空と白い雲をおいかけて行くんです♬


8月も もう終わりです。
空も少しづつ高くなる。
高度1万メートルに達する積乱雲がなくなってしまう前に、今日も空を追いかけます。

遠の朝廷(とおのみかど)博多

2017年08月21日 | バイク
南畑ダムに行った。
南畑ダムにはたまに行くが、その先、背振山まで足を延ばす。

いつの間にか天空の橋がかかっており、南畑ダムのほんのチョイ上に「五ヶ山ダム」を建設中で、建設中とは言っても ほぼ出来ていて周りの道路整備や貯水区域の「ならし」をまだやっている。

「ならし」とは何か。
ダム工事や付替道路建設に伴い、福岡県筑紫郡那珂川町大字五ヶ山字東小河内、網取、道十里、桑河内、大野(この5字を以て五ヶ山の地名の由来となっている)や佐賀県神埼郡吉野ヶ里町大字松隈字小川内、大野などに点在した集落の住民は、補償妥結の上で、下流の福岡県の那珂川町平野部や、佐賀県の佐賀平野部等に集団移転した。
この廃村となった地域を水溜めやすいように浚渫(しゅんせつ)してるのだ。

村落内には県の天然記念物の大杉があって、それも掘り起こし、移設した。

破壊の限りを税金でやっているってわけだが、ここのダム建設の目的は「福岡市の飲料水」のため。だというから、福岡市在住の僕は、何も言えない。
前にも書いたが、福岡市は僕が物心着いてから、致命的な「大渇水」を経験しているからだ。
一級河川のない福岡市は今、150万人の人口を抱えている。
万年水不足。
福岡市は発展し、企業の進出も増え、良い舞台や美術品や外人バンドまでやってきて、東京に行かないと見れない、世界の宝物も集まる。

発展してる町に「発展するな」なんて言えない。
「真の豊かさ」とは何か、と問うて見ても福岡の発展によって首をくくらなくてよい人々はたくさんいるのは確かだからだ。

これが今の福岡市。

美味しいものもたくさんあるよ。

みんなおいで福岡博多。

博多は「那珂川」という川沿いに発展してきた有史以来の都だ。
魏志倭人伝には「那国(なこく)」として日本史の最古文献に登場している。

その那珂川の源流部に二級河川にも関わらず、3つのダムを作ってしまった福岡市。

今、小川内の大杉は樹齢700も過ぎて、変な服着せられて、福岡市一高い千メートルを越す背振山の7合目から、この千年の都を静かに、見降ろし見つめている。



一時間一会の角島パラダイス

2017年08月10日 | バイク
角島を目指して走ることに決めました!
8月4日金曜日から走りだし、
角島へは
5日土曜日14時頃を予定。
帰路はその晩
新門司港19時50分のフェリーに乗ります。
あなたに、絶対会いたいです(笑)

というメールをいただいた。

名古屋に住むカップルだが、2人で山口の角島大橋を見たいというのだ。

もう40歳過ぎた女性なのだが、バイク乗りの聖地となっている下関の角島。
上の写真は加工してない。見事なオーシャンビューのここに自走で来るか……

土日か……いや、山口 福岡にいるのは、土曜日実質5時間……
走ったぶんこの方 里子さんは大きくなれる。
伴奏があろうとなかろうと、だ。
バイクの単位はいつも「1 」
山口も北九州も、角島に劣らぬ良いとこはいっぱいある。
だけどこの2人は角島を目指して走るのだ。
1点を目指すその心が尊い。
伴走の大林さんは男だ。
里子さんをサポートし、里子さんのためにセッティングし、何かあった時は最善策を講じてくれるだろう。
世の中に男や女は星の数ほどいる。だけど里子と大林という、それぞれの「単位1」が出会い、百になり千になり、無限の可能性が生まれること、そんなこと……そうそう無い。
だから、奇跡の2人に、会いに行った。

人の数だけいろんな冒険もあるでしょう。
けど「さあさあ冒険しましょう」なんて、日々の生活で中々いえたもんじゃない。
里子さんは仕事上、長期の休みがそうそう取れない。いや全く取れない。
週末の2日のバイクで休みで行ける距離は、彼女の自宅からどんくらいだろう……彼女は考える。相棒の大林さんに相談する。
「頑張れば ナンだって出来るさ」と口で言うのは簡単だけれども、プランを建てる意志、それを本当にやっちゃう行動力。
乗ってるマシンは20年落ちの、まだ「アドベンチャーバイク」ってジャンルの言葉ができる前の少し古めの400ccオフロードバイク。

1週間、バッコリしっかり仕事して、夜11時に一睡もせず名古屋を出発。
本州西の端 下関まで約700kmを少々の仮眠をしつつ、なんと16時間30分で走り抜けた里美さんと、かの地、角島大橋で会いました。




少し話し少し島を巡り、少し缶ジュースを飲みんで、会ってる時間はたったの1時間くらいだったか……
夏の日本海は季節風が南、つまり「山側」から吹くので、海が荒れない。穏やかな優しい海だ。

すぐにまた、数10kmを走り九州は新門司の、名門大洋フェリー乗り場まで一緒に走り見送ったのです。



旅の方法はいくらでもある。
快適極まりない豪華客船で世界一周旅行をする人もいれば、徒歩で九州1周する人もいる。
旅なんてしなくったって人は生きて行ける。
けど、わざわざそれをする意味ってヤツは、それをやった者だけが手に入れることが出来る「生きる力の発見」に他ならない。

福岡から大阪までフェリー。船旅だって決して「楽チン」じゃあない。三半規管はやられるし、ディーゼルエンジンの音はチットも子守唄になってくれない。朝大阪についても名古屋まで自走旅が待っている。
今日(昨日)「無事たどり着きました」と報告があった。
おめでとう。

楽しかったですか?ツラかったですか?伴走の大林さん、「野郎同士」であってもナビゲーターと言うのは大変な仕事です。けどあなたは自分の意思でナビゲーションを買って出た。
長距離ロングは大変だけど笑顔で乗り切ったその先の「達成感」はあなた方2人の生涯の宝物になるのでしょう。


帰ってニュースを見ていたら「下関今年1番の気温、37℃」って言ってました。
いろんな人の補助に感謝してる気持ちも尊いと思いますが、あの地獄のような暑さの夏の思い出は、あなた達が、あなた達だけで見つけた記憶です。どうぞ大切になさって下さい♬

ほら、下の写真。なんだか三脚立ててる里子さんの上に、夏爛漫の太陽の光が降り注いでますよ。

また、お会い致しましょう