黒仁庵 ポケットにバイクを忍ばせて。

五感で感じる情報を、どうしたら活字に出来るか、考えてみよう。
それが出来ると、五感が研ぎ澄まされるって不思議がわかる。

三日月山の麓にて

2017年05月11日 | 日記


福岡市の長谷はダムに沈みダム公園は今、市民の憩いの場。
三日月山遊歩道もバイクで入れなくなり、タバコを吸うのもはばかれる。

「当たり前でしょ」
みんなが言う。



モモ、お父さんも大人になっちゃったよ。キミが生まれる遥か昔、お父さんはバイクでね、ここでバイクでさ、マックイーンみたいに走りまわってたんだよ。

見上げればウロコ雲。バイクで入れない代償がセリもクレソンも育たなくなった長谷峠。
どっちがどっちを破壊した?


世界最強の富士山

2017年05月11日 | 旅行


博多に住んでいる。
去年富士山を見に行った。

東京に行く時、北海道に行く時、富士を何度も横目で見て「すっげーなぁ」と思っていた。目的地としての富士。
新東名走行中、トンネルを抜けると天空にドドーン!!と真ん前に富士が目に飛び込んで来る。



地元九州には、阿蘇と言う世界一の大カルデラ山があって、北海道に行っても信州に行っても、いつも
「阿蘇と比べてどうだろう…」
と、自然を測るスケールになっている。

阿蘇山

おおかたは「フッフッフッ…阿蘇の勝ちだ」なんて自画自賛してるのだが、

富士は別格だ。格別に美しい。


明治西欧人たちが日本にたくさん往来した。政治経済、布教観光と、様々な理由であろうが、日本は今も昔もヨーロッパにとって
「1番遠い外国」だ。地政学的に申し分なく遠い。

船の長旅で人々は疲労困ぱい。不平不満もピークに達する。もう東京も間近に迫ると言うのに、船内で暴動が起こらんばかりにいきり立ったという。
そんな時、船長が甲板に出て
「さあ、皆さん進行方向左手をご覧ください」とうながす。


その神々しさに誰もが言葉を失い、見入ったそうです。そしていつしか不満の声も消えていく。

そりゃあ、唸るよね。

勝ち負けなんか便宜上の言葉遊びだったりするんだが、「富士をちゃんと見た」時、問答無用に
「これは……阿蘇負けた…」と声が出てしまった。



麓 おキャンプ場でコーヒー入れて日本一のトンガリ屋根の下、グッスリ眠ったのでありました。