或る夜のこと。
仕事帰りにたりらりんとふらふら歩いていたら友人達の待ち伏せに遭いました。
そして「いつもいつも逃げられているが今宵は逃がさぬ! 今日こそ我等と遊んでもらうぞ!」と言われてしまいした。orz。
愚かな奴らよ。
スピードでは私には敵わぬことを理解していないのか。そしてしつこい。
友人どもとの問答を省いていきなり全速力で逃げだしましたよ。
全力疾走でありました。逃げる兎の如く走りましたよ。
友人達は叫びました。
「今宵の我等は一味違うぞ!」
日が暮れて街が静かになり始めている時に大声で喚くのはまずいって。
今宵の我等は一味違う?? 何が違うというのだろ?
全速力で遠ざかりながらそう思っていたのです。
すると、ひたひたと迫ってくる足音がします。
振り向くと見知らぬ顔の人が2名、追走してきています。
は、速い……。
友人達はまたしても叫びます。
「そ奴らは元陸上部員と現役バスケットボール部員!」「○○(←私の本名)を捕まえる為に借りてきた!」「○○といえども敵うまい!」「観念しろ!」「そ奴らからは逃げきれぬぞ!」
だから、日が暮れて街が静かになり始めている時に大声で叫ぶのはまずいって。
元陸上部員に現役バスケットボール部員?? まぢで?
あかんわ、これは。
かつて学生の頃に神速と言われたスピードはもう無くなっているしスタミナも激減しているし華麗なステップを踏める敏捷性も消え失せている。勝ち目はない。orz。
それでも抵抗しましたよ。
全力疾走&急加速+急停止+急反転&体重移動を使ったステップからのフェイントを駆使しましたよ。
しかし無駄な抵抗でありました。orz。
さすがは元陸上部員と現役バスケットボール部員。
哀れ狐は囚われの身となり、両腕をがっちりと捕まれて友人達の前に曳き出されてしまいました。orz。
「我らを甘くみたな!」「愚かな!」「無駄な抵抗をして捕らわれるとは無様な!」「甘い奴! 砂糖菓子より甘い奴!」「観念して今宵は我等と遊ぶのです!」
街には友人達の邪悪な勝利の高笑いが響き渡ります。
だから、日が暮れて街が静かになり始めている時に高笑いはまずいって。まぢで。
でもってお前らに負けたわけではない。お前らは見ていただけではないか。勝ち誇るな。と友人達に申しました。
すると、友人達は「愚かな!」「目的が達成されればよいのです!」「捕らえる手段が他にあるなら我等が動く必要はないのです!」「や~い。へっぽこへっぽこ」と奴らは勝ち誇るのです。
ぐぬぬ。
そして、友人達は元陸上部員さんと現役バスケットボール部員さんに「御苦労!」「よくやった! 褒めてとらす」「後日、御褒美をあげましょう!」「今日はもうよいよ」と言って、2名を帰らせます。
うぉい。私を捕まえる為だけに2名を連れてきたのか! でもって一緒に遊んでやらんのかい! と突っ込みましたよ。
よいのか? 元陸上部員さんと現役バスケットボール部員さん。そんな扱いを受けて。
お二人は私を友人達に引き渡して笑顔で帰っていきます。
う~む。調教済みか。
さすがは我が友人達。人の都合などお構いなしに清々しいほど欲望に忠実で容赦なくそして隙が無い。お見事です。
かくして哀れ私・狐は友人達が用意していた車に押し込められました。orz。
そして某所へと連れていかれ夜通し友人と遊ぶ羽目となりました。orz。
そして私・狐は友人達の玩具となり夜通し弄ばれてしまいました。orz。
無念であります。