昨日の夜は、映画『軽蔑』のDVDを観ていました。
新宿歌舞伎町でチンピラをしているカズは多額の借金をしている。
借金を帳消しにしてもらう代わりに歌舞伎町のダンスバーを襲撃するよう兄貴分に命じられたカズは、その店を襲撃して暴れまわりそのまま歌舞伎町から姿を消そうとする。
その際、その店のナンバーワンの踊り子・真知子の手を引いて連れ出す。
以前からカズはそのダンスバーに出入りしていて真知子のことを知っていた。
カズは「高飛びするから一緒についてきてくれ」と真知子に頼み……。
監督は、廣木隆一。
出演者は、高良健吾、鈴木杏、大森南朋、忍成修吾、村上淳、根岸季衣、小林薫、田口トモロヲ、緑魔子、日向寺雅人、蕨野友也、小林ユウキチ、蒼井そら、など。
原作は、中上健次の同名の小説です。
原作の小説はまだ読んでいないので原作の小説のことはわかりません。
う~ん????
感情移入が出来ない。orz。
役者さんは頑張っているんだよ。
でもこの脚本でこの演出では感情移入できるキャラクターがいない。orz。
どうしようもないことがあって地の底まで堕ちていく男女。というテーマは魅力的なテーマなのです。
でも主人公の男は自分を救おうと思ったら周囲の人達を救おうと思ったらいくらでも救えるのです。でもしない。クズっぷりがこれでもかと描かれます。
でもそのことを面白く描くこともできるのです。しかしフォーマットは「どうしようもないことがあって地の底まで堕ちていく男女」なのです。
当然、観ている側は男のクズっぷりを見せられるだけで、「どうしょうもなくないじゃん!」とツッコミを入れたくなります。
主人公の男の周囲で真面目に働いている人達に主人公の男が罵倒される。でもそれは当然と思えてしまうのです。理不尽とはならなくなってしまうのです。
自滅するだろうと予測されるキャラクターが予測通りに自滅する。そんなお話なのかな?
う~む???
どこかで、どうしょうもない部分とか回避不可能だったところを描いていたならまだ納得ができるのですが……。
或いは自分から地獄に飛び込んでいくような行動をする男の心情を観ている側が少しでも理解できるような描き方をしていれば納得ができるのですが……。
クズで下種なだけじゃん。となってしまいます。
そして男に魅かれる女の描写も「クズで下種だけどどうしょうもなく魅かれてしまう」という部分がほとんど描かれていないのです。
ここがすっぽり抜けている。
う~む???
私、何か観かたを間違っているのかな???
昨日の夜は首を傾げておりました。
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