昨日の夜は、映画『アルゼンチンババア』のDVDを観ていました。
小さな田舎町。
主人公は高校生のみつこの家族は仲の良い家族であったけれども、入院していた母親が亡くなり、その直後に父親が失踪してしまう。
半年後、みつこは父親が「変わり者でアルゼンチンババアと呼ばれている女性の屋敷・アルゼンチンビルにいる」と知らされる。
母の葬儀や供養を放ったらかしにして父はいったいそこで何をしているのか。みつこは謎の女性から父親を奪還する為にアルゼンチンビルに向かうのだが……。
監督は、長尾直樹。
出演者は、鈴木京香、役所広司、手塚理美、堀北真希、森下愛子、小林裕吉、田中直樹、きたろう、渡辺憲吉、菅原大吉、岸部一徳、など。
おかしくて心温まるお話です。
ただ、もっとファンタジー寄りにして外連味を出したほうが分かりやすいような気がします。
アルゼンチンビルという建物は魅力的な設定なはずなのだけれども、植物の生い茂った少し形の変わった普通のビルのように見えます。
不気味で何が出てくるか分からないよう恐さがあって、でも魅力的でわくわくする摩訶不思議な建物。そんな描写ならインパクトがあって観る側は冒頭付近で物語でぐっと引き込まれたかもしれません。少し変わった程度の普通のビルなら「ふ~ん」で終わってしまいます。
ユリという女性ももっと神秘的で不気味でチャーミングな老女に描いてもよかったように思います。
あの描写なら、若いのにぼさぼさの白髪交じりの女性なのか老女なのに若く見える女性なのか? 見る側は分からなくて戸惑ってしまいます。
はっきりさせた方が分かりやすいと思います。
物語の最初の頃に匂いに関する描写があったのだけれども、具体的にどのような匂いなのか想像できなかったのも残念でした。
物語の骨子はしっかりしていると思うのだけれども、細かいところで少しずつマイナス点が重なって焦点がぼやけてしまったような印象があります。
出演している役者さんは芸達者な方ばかりです。
それだけにもったいないって気がしました。
おかしくて心温まる静謐なお話でありましたよ。
色々書きましたが、駄目駄目ってわけではなく楽しめました。
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