昨日の夜は、映画『ぼくとアールと彼女のさよなら』のDVDを観ていました。
高校生のグレッグは通っている高校のどのグループにも所属していない。
目立たぬようにどのグループにも愛想よく振る舞うが、他人とは深く関わることを避けていた。
唯一例外の人物はアール。グレッグは幼馴染のアールと名作映画のパロディを作る日々を送っていた。
ある日、グレッグは母親から同級生のレイチェルが白血病になったことを聞かされる。
グレッグの母親は、グレッグにレイチェルの話し相手になって慰めるよう命令する。
グレッグはレイチェルとほとんど話をしたことがない。
しかし母親の懇願で彼は仕方なくレイチェルの自宅に向かった……。
監督は、アルフォンソ・ゴメス=レホン。
出演者は、トーマス・マン、オリビア・クック、RJ・サイラー、ニック・オファーマン、ジョン・バーンサル、コニー・ブリットン、など。
原作は、ジェシー・アンドリュースの小説です。
語り口が面白いです。
主人公の少年が書いたお話を映像化しているという形になっているので、主人公の少年目線。
主人公の少年は自己評価がとても低く繊細。繊細であるがゆえに繊細であることを隠そうとする。
そして正直。格好をつける性格ならば悲劇の主人公と悲劇のヒロインに自分達を設定して事実を改変してしまうだろうけれども、そんなことはしない。率直に心情を語ります。
それ故に可笑しさが出てきます。
そして「悲しい」とか「辛い」とか簡単で単純な言葉を使わない。
さらに安易な慰めの言葉も使わない。
大人ならば定型句を使ってその場をしのぐことをするかもしんない。でも主人公の少年は器用ではないのでそれはできない。
酷いことを少女に言ったり友人に八つ当たりをしたりして少年は後悔する。
でもスタンスは「悲劇ではないんだよ」というスタンスを貫こうとする。それ故にラストが効いてくる。
さらっとしていて淡々としていて大仰にせず諧謔に溢れユーモアを交えて迷ったり悩んだりする様を瑞々しく描いています。
面白い映画でありましたよ。
お勧めです。
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