狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

『ビリディアナ』

2020年06月18日 16時58分04秒 | 映画・ドラマに関する日記
 昨日の夜は、映画『ビリディアナ』のDVDを観ていました。

 修道女の修行をしているビリディアは、学費を出してくれていた伯父のハイメに挨拶する為、彼の屋敷を訪れた。
 ハイメは亡き妻にそっくりなビリディア魅せられてしまう。
 彼は修道院に入るビリディアを手元に置こうと引き留めるが、ビリディアの意思は固い。
 ハイメはビリディアを手に入れようと汚い手を使う……。のだが……。

 伯父が自殺する。
 ビリディアは彼の死の原因が自分にあると考え、修道院に入ることを断念し、他者の為に人生を捧げようと考える。
 救貧院を作って恵まれない者や障害者を集めて生活の面倒をみて彼等彼女等に希望を持たせることを考える……。
 しかし……。

 監督は、ルイス・ブニュエル。 
 出演者は、シルヴィア・ピナル、フランシスコ・ラバル、フェルナンド・レイ、マルガリータ・ロサーノ、ローラ・ガオス、など。
 1961年のスペイン映画です。


 むぅ。
 何と赤裸々な剥き出しの人間像なのだろう。
 誠意をもって人に接すれば必ず分かってもらえる。そんな言葉を粉々に砕いてしまうかのよう。
 そもそも正しくあろうとか人の役に立ちたいとかいうのも欲望の一つに過ぎない。
 その欲望を人に押し付けると迷惑する人も出てくるし利用するだけって人も出てくる。無欲で利他的であろうとする気持ちも欲望の一つに過ぎない。
 主人公はそのことに無自覚な人間ではある。

 幾つかのシーンは名画のパロディであったりする。
 人間とはこんなものだよ。と突き付けてくるようなお話。
 そして欲望についてのお話。
 理想と現実のお話でもあります。
 突き付けてくる現実はあまりにも厳しくあまりにも身も蓋もない。
 我等は何と罪深く業深いのだろう。


 面白かったですよ。
 お勧めです。



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