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田原総一朗「調査5カ国で『感染は自業自得』が突出して高い日本」 2021.2.24 07:00

2021年02月24日 11時07分48秒 | 感染症

田原総一朗「調査5カ国で『感染は自業自得』が突出して高い日本」

連載「ギロン堂」

田原総一朗週刊朝日#ギロン堂#田原総一朗
 
ジャーナリストの田原総一朗氏(c)朝日新聞社

ジャーナリストの田原総一朗氏(c)朝日新聞社

イラスト/ウノ・カマキリ

イラスト/ウノ・カマキリ


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 新型コロナウイルスに感染した人物、そして家族が“村八分”にされる。こうした例がやたらに多く出ているようだ。

 現に、テレビ朝日の「報道ステーション」のキャスターが感染すると、スタッフ全員がまるで加害者のように扱われ、キャスターは長く休んだ後に復帰しても、謝罪し続けなければならなかった。

 不幸にして新型コロナに感染したら、同情されるのが当たり前なのに、なぜ加害者のように“村八分”の対象になってしまうのか。

 2月17日の毎日新聞の夕刊で、村山綾氏(近畿大准教授)が、大変興味深い指摘をしている。

 三浦麻子氏(大阪大教授)などのグループによる調査で、「コロナに感染する人は自業自得」と考える人が、米英伊中日の調査5カ国の中で日本が突出して高かったという。各国400~500人対象の質問では、「非常にそう思う」「ややそう思う」「どちらかといえばそう思う」のいずれかを選んだ割合が、米1%、英1・49%、イタリア2・51%、中国4・83%に対して、日本は11・5%に上ったということだ。

 どうも日本では、新型コロナに感染するのは本人に落ち度があり、さらに新型コロナをばらまく危険性がある、と加害者扱いしてしまうのではないか。

 かつて山本七平氏が「この国では空気を読まないと生きていけない」と語ったが、言ってみれば同調圧力が極めて強いのである。

 そういえば、伊藤忠商事の社長を務めた丹羽宇一郎氏が「日本企業の社員は正論が言えない」と繰り返し語っている。

 その例が、数年前に起きた東芝の7年間粉飾決算事件である。中堅以上の社員ならば、誰でも粉飾していたとわかっていたはずだが、誰一人として経営陣に指摘しなかった。私が東芝の社員たちを取材すると、「そんなことを言ったら左遷される」との答えが返ってきた。

 去年の4月、安倍首相(当時)がコロナ禍での緊急事態宣言を発出した。そのとき、私は安倍首相に「他の国では緊急事態時に、違反すれば罰金を取られたり逮捕されたりする恐れがある罰則規定があるが、日本ではなぜないのか」と問うた。すると安倍首相は「日本国民は、割合に政府の言うことに素直に従ってくれるので、罰則規定など必要ないのだ」と答えた。

 つまり同調圧力が強くて、国民が自主規制をしてくれる、ということだ。今回、なぜ罰則規定など設けなければならなかったのかは改めて問いたいところである。

 同調圧力といえば、日本では新聞やテレビで思い切った権力批判ができず、マスメディアが自粛しすぎている、という批判が常識となっている。コンプライアンスのためというのがマスメディア側の説明だが、実は批判が怖いのである。

 かつては電話だったプロデューサーへの批判が、現在ではインターネットによって管理部門からスポンサーにまで届く。下手をすると番組が終わる。だから、つい無難な番組を作ってしまうのである。

 さらに重要なのは、日本の政治にも同調圧力があることだ。小選挙区制のために自民党の国会議員は執行部のイエスマンばかりになった。だから安倍・菅政権とも、国民とかけ離れた政治を平気で行ってしまっているのである。

週刊朝日  2021年3月5日号

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数


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