ブルックナー交響曲第9番、私にとって異演盤を最も所有している曲です。
上記盤は、もう数年前に発売されたCDですが、ようやく今夜、しっかりと聴きました。
ヨッフムの同曲演奏のCDを私はベルリンフィル盤、ドレスデン盤の2つも持っています。
ベルリンフィル盤は同曲のシューリヒト・ウィーンフィル盤、ジュリーニ・ウィーンフィル盤、
ヴァント・ベルリンフィル盤、カラヤン・ベルリンフィル盤(1966年盤)と
共に、私にとって同曲の5大最高演奏の一つになっています。
ドレスデン盤は音響が豊かすぎて、また緊張さも今ひとつ。
今回のミュンヘンフィル盤は、1983年の演奏。最晩年の演奏です。宇野大先生、
大絶賛の演奏(^^;。)
会場の空気も伝わってくるような臨場感。「原始霧」が晴れて、Hnが堂々と吠えるあたりから、
まさにブルックナー指揮者ならでは!と思いました。広大な宇宙空間に連れて行ってくれるような
壮大な演奏!
しかし、Tpがいただけません。下手な奏者ではないのです。天下のミュンヘンフィルですから。
やたら強奏なのです。しかし、ムラヴィンスキー盤のような音色ではありません。
音が割れてもいません。
マイクがTpの近くにあって、録音設定でも特に変更はしなかったのではないか?
と思わせるような感じなのです。
ヨッフムは特に確認しないでOKとしたのか?
解説書にはヨッフムはいつも、Tpを強く吹かせる・・云々と書いていますが、
他のブルックナー録音を聴いても、特にTpが刺激的!と思うような演奏には出会っていません。
何を根拠に??また実際に、一般的な録音であれば、Tp奏者は相当な音量の持ち主なはずです。
Tpが鳴っていないところは、実に奥深い響きで曲が進行していきます。弦の艶もいいです、
個人的には残念な演奏録音でした。
ヨッフムのブルックナーは2回、日本公演で接することが出来ました。
バンベルク交響楽団との第8番、コンセルトヘボウとの第7番。今でも良き思い出です。