

我が家の婆ちゃんは白内障の手術を終えてはや2週間、未だにショックから立ち直れず、
「いやぁ!あんまり年取ってから目の手術なんてやるもんじゃない。」
とぶつぶつ言っては、ため息をついております。
大体、白内障の手術を終えた人は一様に「よく見えて世界が変わって見える!」「明るい!」等の
前向きな声が多いのに対し、うちの婆ちゃんは何か釈然としない面持ちで仕方なく目薬を注す毎日を送っている。
子供の頃、本の虫だったと日頃語っている婆ちゃんの近眼暦は長く、眼鏡無くして見えないのが普通だったのに、
片目が眼底出血していたので、見え方にばらつきがあり 片方だけ見えすぎることのギャップからか、
あるいは自分の姿がハッキリ見えすぎてショックを受けたか、戸惑っている様子。

そう言えばオバサンは近年急に老眼が進んで、
料理をするのも、買い物で値札を見るのも、携帯で文字や写真を確認するのも
眼鏡をしないと 全く用が足らず、すこぶる不便なメン玉になってしまったわけです。
その代わり、鏡に自分の姿を写してみると、体型は別問題ですが、化粧をした顔なぞは綺麗に見えて、
老眼鏡を掛けて再び見直しますと 「皺だらけの福笑い」になっていて びっくり仰天!

歳を取っても大らかに生きるには、現実に紗を掛けて、老眼になるのが理に叶っているのかもしれません。
