すっかりupが遅くなってしまった「訃報」ですが、
改めてお送りいたします。
「ルパン三世」でおなじみの漫画家・モンキー・パンチ先生が
4月11日、誤嚥性肺炎のためお亡くなりになりました。
81歳でした。
そこで、こちらも遅まきながら、自分にとっての「ルパン三世」を語りたいと思います。
とにかく、youtubeの映像を観ながら「構成」で手間取り、今日まで伸びてしまいました。
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朝日新聞 2019年4月18日付「天声人語」
https://www.asahi.com/articles/DA3S13982258.html?jumpUrl=http%253A%252F%252Fdigital.asahi.com%252Farticles%252FDA3S13982258.html%253F_requesturl%253Darticles%252FDA3S13982258.html%2526amp%253Brm%253D150
狙った金品は必ず手に入れる不死身の盗人ルパン三世。
絵柄も話の運びもおよそ日本離れしている。
作者はモンキー・パンチ。
人をくったようなその名を初めて見た日、どこか異国の漫画家だろうと思いこんだ。
本名は加糖一彦さん。
北海道の東端に近い浜中町で生まれた。
霧多布湿原を抱える静かな町ある。
家業のコンブ採りを手伝いつつ、「三銃士」や「怪人二十面相」を読みふける。
定時制高校を卒業すると、漫画家を志して上京した。
出版各社に送った同人誌の表紙絵が、ある漫画誌編集長の目にとまる。
デビューは28歳。
「この絵は加糖一彦という雰囲気じゃない」。
編集長の付けた筆名がモンキー・パンチだった。
「ルパン三世」はアニメや映画になり、世代を超えて浸透した。
「漫画で描く霧や岩は故郷・霧多布の風景です」。
北海道を訪れると講演でそう語った。
浜中町商工観光課によると、飲食街の一角には「ルパン三世通り」と呼ばれる。
おなじみの登場人物にちなむ「パブ不二子」「次元バー」の英字看板が空き店舗に掲げられ、人気の撮影場所である。
町内を走るJR根室線の3駅では、人物大の絵パネルが観光客を迎える。
ルパンの名を冠した町おこし行事には 加藤さん自身もたびたび参加し、笑顔を振りまいた。
温和で控えめ、偉ぶらない。
広く慕われた漫画家が81歳で亡くなった。
若いころ使ったという筆名「ムタ永二」のままだったとしたら、
あれほど神機縦横なルパンの活躍はなかったかもしれない。
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まず、すべてはここ「Part 1」から始まった。
大野雄二さんの音楽が良いのは百も承知だけど、Part 1の山下毅雄氏の音楽もクールだ。
そ、そして、虜になった問題の第1話を、ほんのちょっと。
小学生にこの世界はヤバ過ぎる。
大人になった今こそ、楽しもうじゃないか!
TMSトムスエンタテインメントさん、ありがとう!
【公式】ルパン三世 1st series 第1話「ルパンは燃えているか…?!」”LUPIN THE 3RD" PART1 EP01(1971)
う~ん、やっぱり格段の一作ですね。
始めのルパンはとにかく「悪党・不敵」のイメージだった。
ハードボイルドなルパンを追求した大隅(現・おおすみ)正秋氏の功績をもっと高く評価しないといけません。
土曜日23時の放送だったら、もっとファンがついたのかもしれない。
引き続き、第2話「魔術師と呼ばれた男」 も行きましょう。
【公式】ルパン三世 1st series 第2話「魔術師と呼ばれた男」"LUPIN THE 3RD" PART1 EP02(1971)
この上記2作が1971年、つまり45年以上前のセンスですよ?
スゴイでしょう?
で、公式サイトではないのですが、
自分がぜひお薦めしたいストーリーとして、第9話「殺し屋はブルースを歌う」が好きなんですね。
それが入った以下の「DVDコレクション Vol.3」をどうぞ。
ルパンを何度も裏切る「正体不明の女」不二子が、実はルパンを本当に愛しているために選んだ「結末」は……
↓


このあと視聴率低迷のため、テコ入れ策としてターゲットを子供に据えて路線変更、
ここで当時宮崎駿・高畑勲両監督が所属していた「Aプロダクション」スタッフを演出に迎えることになりますが、
この路線でいちばん好きだったのは第19話「どっちが勝つか三代目」でした。
後半のルパンたちによる“人海戦術”のドタバタぶりは面白かった…(笑)。
↓


Afro Lupin 68
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続いて「Part 2」に行きます。
【公式】ルパン三世 PART2 第2話「リオの夕陽に咲く札束」"LUPIN THE 3RD" PART2 EP02(1977)
大野雄二さんのハイセンスな音楽もあって初めて見た当時は「センセーショナル」でしたが、
今観るとやはり作画レベルは「Part 1」のほうが「上」ですね。
夕陽の「光」などは進化しましたが……
夕方7時という「ゴールデンタイム」のオンエアなので子供も意識したせいか、
やはり“エンターテインメント”色を強調しすぎて軽くなってしまった、というのが正直な感想です。
ストーリー上銭形警部は要らないのもあったにもかかわらず、全話出ていますし。
作画のレベルもこっちのほうが劣っていました。
あ、でも大野雄二先生の音楽は、今なお「神」と思うくらい大好きですよ。
なにせ先生の「ルパン三世」を聴いて音楽を志した程ですから。
で、ここでは紹介されてないもので好きなストーリーとしては、
第50話・51話の「私が愛したルパン(前・後編)」
これが収録された「DVDコレクション 19」
↓


次元大介が主役の第58話「国境は別れの顔」。
これが収録された「DVDコレクション 21」。
↓


そして、「Part 2」最大のハードボイルド作、
第66話「射殺命令!」は「DVDコレクション 23」に収録です。
↓


そして、はじめてのステレオ放送だった
第99話「荒野に散ったコンバット・マグナム」は「DVDコレクション 31」に収録です。
↓


あとねー、五右エ門が主人公でゲスト出演の浜中奈美の可憐さ・大胆さに息を吞む
第108話「哀しみの斬鉄剣」も印象的ですね。
「DVDコレクション 33」に収録です。
今となっては深夜でなければ再放送は不可能でしょう。
(注意:北海道・霧多布はあんな極端な僻地じゃありません。 交通の足の悪さと商店の少なさには閉口しますが)
↓


それから言っておきますが、宮崎駿監督が「照樹務(テレコム)」名義で参加した
第145話「死の翼アルバトロス」と第155話「さらば愛しきルパンよ」は、正直違和感だらけでした。
当時宮崎監督が持っていた“軍需産業へのアンチテーゼ”の思想をストレートに反映した内容で、
今も「そんなこと、ルパンでやるなよ」と思っています。
(あ、気持ちは理解できますよ、自分も「核」など殺傷兵器は嫌いなので)
ここで、ライブ映像によるPart 2のテーマ曲を選びました。
ルパン三世のテーマ'78(30周年コンサートDVDより)/大野雄二【公式】
それから、「ルパン三世・Part 2」に関心を持たれたら、ぜひサントラ盤も聴いてみてください。
「フュージョン入門編」としても楽しめます。
ファーストアルバムには、1話~26話のオープニングテーマとエンディングテーマ(愛のテーマ)のフルバージョンが聴けます。
スリリングな「デンジャラス・ゾーン」とロマンティックな「愛のシルエット」「ルパン三世愛のテーマ」、
劇中で頻繁にかかった「ロンリー・フォー・ザ・ロード」がお薦めです。
↓


セカンドアルバムには、52話~103話のオープニングテーマ(ルパン三世'79)とエンディングテーマ(ラヴ・スコール)の
フルバージョンが入っています。
自分としては「スフィンクス」「オアシスへ……」の入ったこちらのほうがお勧め度合いが強いです。
↓


さて、自分にとって「Part 3」(1985-1985)は曲がり角的作品でした。
青木悠三によるコミカル色の強い世界は絵が汚いし、どうもルパンに対するゲンメツ(減滅)感が強くなっていました。
(こんなルパンなら、もういらない……)
案の定、このあと2010年代「峰不二子という女」までの長い間、連続シリーズは途切れました。
ちなみに当時は自分が社会人になる直前でした。
まだ続きます。
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2019年5月3日付訪問者数:176名様
お付き合いいただきありがとうございました。
改めてお送りいたします。
「ルパン三世」でおなじみの漫画家・モンキー・パンチ先生が
4月11日、誤嚥性肺炎のためお亡くなりになりました。
81歳でした。
そこで、こちらも遅まきながら、自分にとっての「ルパン三世」を語りたいと思います。
とにかく、youtubeの映像を観ながら「構成」で手間取り、今日まで伸びてしまいました。
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朝日新聞 2019年4月18日付「天声人語」
https://www.asahi.com/articles/DA3S13982258.html?jumpUrl=http%253A%252F%252Fdigital.asahi.com%252Farticles%252FDA3S13982258.html%253F_requesturl%253Darticles%252FDA3S13982258.html%2526amp%253Brm%253D150
狙った金品は必ず手に入れる不死身の盗人ルパン三世。
絵柄も話の運びもおよそ日本離れしている。
作者はモンキー・パンチ。
人をくったようなその名を初めて見た日、どこか異国の漫画家だろうと思いこんだ。
本名は加糖一彦さん。
北海道の東端に近い浜中町で生まれた。
霧多布湿原を抱える静かな町ある。
家業のコンブ採りを手伝いつつ、「三銃士」や「怪人二十面相」を読みふける。
定時制高校を卒業すると、漫画家を志して上京した。
出版各社に送った同人誌の表紙絵が、ある漫画誌編集長の目にとまる。
デビューは28歳。
「この絵は加糖一彦という雰囲気じゃない」。
編集長の付けた筆名がモンキー・パンチだった。
「ルパン三世」はアニメや映画になり、世代を超えて浸透した。
「漫画で描く霧や岩は故郷・霧多布の風景です」。
北海道を訪れると講演でそう語った。
浜中町商工観光課によると、飲食街の一角には「ルパン三世通り」と呼ばれる。
おなじみの登場人物にちなむ「パブ不二子」「次元バー」の英字看板が空き店舗に掲げられ、人気の撮影場所である。
町内を走るJR根室線の3駅では、人物大の絵パネルが観光客を迎える。
ルパンの名を冠した町おこし行事には 加藤さん自身もたびたび参加し、笑顔を振りまいた。
温和で控えめ、偉ぶらない。
広く慕われた漫画家が81歳で亡くなった。
若いころ使ったという筆名「ムタ永二」のままだったとしたら、
あれほど神機縦横なルパンの活躍はなかったかもしれない。
------------------------------------------------------------------------------
まず、すべてはここ「Part 1」から始まった。
大野雄二さんの音楽が良いのは百も承知だけど、Part 1の山下毅雄氏の音楽もクールだ。
そ、そして、虜になった問題の第1話を、ほんのちょっと。
小学生にこの世界はヤバ過ぎる。
大人になった今こそ、楽しもうじゃないか!
TMSトムスエンタテインメントさん、ありがとう!
【公式】ルパン三世 1st series 第1話「ルパンは燃えているか…?!」”LUPIN THE 3RD" PART1 EP01(1971)
う~ん、やっぱり格段の一作ですね。
始めのルパンはとにかく「悪党・不敵」のイメージだった。
ハードボイルドなルパンを追求した大隅(現・おおすみ)正秋氏の功績をもっと高く評価しないといけません。
土曜日23時の放送だったら、もっとファンがついたのかもしれない。
引き続き、第2話「魔術師と呼ばれた男」 も行きましょう。
【公式】ルパン三世 1st series 第2話「魔術師と呼ばれた男」"LUPIN THE 3RD" PART1 EP02(1971)
この上記2作が1971年、つまり45年以上前のセンスですよ?
スゴイでしょう?
で、公式サイトではないのですが、
自分がぜひお薦めしたいストーリーとして、第9話「殺し屋はブルースを歌う」が好きなんですね。
それが入った以下の「DVDコレクション Vol.3」をどうぞ。
ルパンを何度も裏切る「正体不明の女」不二子が、実はルパンを本当に愛しているために選んだ「結末」は……
↓
このあと視聴率低迷のため、テコ入れ策としてターゲットを子供に据えて路線変更、
ここで当時宮崎駿・高畑勲両監督が所属していた「Aプロダクション」スタッフを演出に迎えることになりますが、
この路線でいちばん好きだったのは第19話「どっちが勝つか三代目」でした。
後半のルパンたちによる“人海戦術”のドタバタぶりは面白かった…(笑)。
↓
Afro Lupin 68
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続いて「Part 2」に行きます。
【公式】ルパン三世 PART2 第2話「リオの夕陽に咲く札束」"LUPIN THE 3RD" PART2 EP02(1977)
大野雄二さんのハイセンスな音楽もあって初めて見た当時は「センセーショナル」でしたが、
今観るとやはり作画レベルは「Part 1」のほうが「上」ですね。
夕陽の「光」などは進化しましたが……
夕方7時という「ゴールデンタイム」のオンエアなので子供も意識したせいか、
やはり“エンターテインメント”色を強調しすぎて軽くなってしまった、というのが正直な感想です。
ストーリー上銭形警部は要らないのもあったにもかかわらず、全話出ていますし。
作画のレベルもこっちのほうが劣っていました。
あ、でも大野雄二先生の音楽は、今なお「神」と思うくらい大好きですよ。
なにせ先生の「ルパン三世」を聴いて音楽を志した程ですから。
で、ここでは紹介されてないもので好きなストーリーとしては、
第50話・51話の「私が愛したルパン(前・後編)」
これが収録された「DVDコレクション 19」
↓
次元大介が主役の第58話「国境は別れの顔」。
これが収録された「DVDコレクション 21」。
↓
そして、「Part 2」最大のハードボイルド作、
第66話「射殺命令!」は「DVDコレクション 23」に収録です。
↓
そして、はじめてのステレオ放送だった
第99話「荒野に散ったコンバット・マグナム」は「DVDコレクション 31」に収録です。
↓
あとねー、五右エ門が主人公でゲスト出演の浜中奈美の可憐さ・大胆さに息を吞む
第108話「哀しみの斬鉄剣」も印象的ですね。
「DVDコレクション 33」に収録です。
今となっては深夜でなければ再放送は不可能でしょう。
(注意:北海道・霧多布はあんな極端な僻地じゃありません。 交通の足の悪さと商店の少なさには閉口しますが)
↓
それから言っておきますが、宮崎駿監督が「照樹務(テレコム)」名義で参加した
第145話「死の翼アルバトロス」と第155話「さらば愛しきルパンよ」は、正直違和感だらけでした。
当時宮崎監督が持っていた“軍需産業へのアンチテーゼ”の思想をストレートに反映した内容で、
今も「そんなこと、ルパンでやるなよ」と思っています。
(あ、気持ちは理解できますよ、自分も「核」など殺傷兵器は嫌いなので)
ここで、ライブ映像によるPart 2のテーマ曲を選びました。
ルパン三世のテーマ'78(30周年コンサートDVDより)/大野雄二【公式】
それから、「ルパン三世・Part 2」に関心を持たれたら、ぜひサントラ盤も聴いてみてください。
「フュージョン入門編」としても楽しめます。
ファーストアルバムには、1話~26話のオープニングテーマとエンディングテーマ(愛のテーマ)のフルバージョンが聴けます。
スリリングな「デンジャラス・ゾーン」とロマンティックな「愛のシルエット」「ルパン三世愛のテーマ」、
劇中で頻繁にかかった「ロンリー・フォー・ザ・ロード」がお薦めです。
↓
セカンドアルバムには、52話~103話のオープニングテーマ(ルパン三世'79)とエンディングテーマ(ラヴ・スコール)の
フルバージョンが入っています。
自分としては「スフィンクス」「オアシスへ……」の入ったこちらのほうがお勧め度合いが強いです。
↓
さて、自分にとって「Part 3」(1985-1985)は曲がり角的作品でした。
青木悠三によるコミカル色の強い世界は絵が汚いし、どうもルパンに対するゲンメツ(減滅)感が強くなっていました。
(こんなルパンなら、もういらない……)
案の定、このあと2010年代「峰不二子という女」までの長い間、連続シリーズは途切れました。
ちなみに当時は自分が社会人になる直前でした。
まだ続きます。
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2019年5月3日付訪問者数:176名様
お付き合いいただきありがとうございました。