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shining's ブログ 「音楽と旅と珈琲と」

音楽大好き男の徒然なる日記

惜別・高倉健さん(3) ~ 「あなたへ」(2012)

2015-10-30 | 日記
札幌から釧路までの高速バスでやっており、改めて良い作品だったと思った。
このブログで書いたと思ってたらまだだったようなので、改めて取り上げます。

ウィキペディア解説 ↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%B8

とにかく、悪役のいない「大人の人間ドラマ」である。
迫りくる老い、夫婦関係への迷い、旅と放浪。
そして、ここに出てくるメインキャストはみんな“優しくて淋しい人”だと思った。
音楽も静かで優しい。
ある種主流になったCGまみれ、混声合唱団を使うシンフォニー調音楽、若きイケメン主演で悪がのさばる緊張に満ちた世界etc.の“ハリウッド映画”とは対極の世界(ロードムービー)だ。



NHK「プロフェッショナル」でもこの映画のメイキングをしていたが、
役者の演技力がつまらないと思った脚本を名場面にする。
大滝秀治さんの最後のセリフ
「久しぶりに、きれいな海ば見た」がまさにそれだった。
始め、健さんはそのシーンを「つまらないセリフだな」と思ってたそうだが、
大滝さんの演技に涙したそうだ。
また何かにつけ、観たくなる映画である。

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個人的な見解をもう一つ。
物語の「悪役」の存在だ。

物語が「料理や飲み物」とするならば、
自分にとって悪役は「マドラー(もしくはスプーン)」のような存在だと思う。
ジュースやドレッシングなど一部の飲み物・料理は時間が経つと分離する。
で、飲んだり使ったりする前にかき混ぜる。
そんな存在だと思うのだ。

本当においしいもの、純粋なものならそんなにかき混ぜなくてもおいしい。
むしろ、へたに強くかき混ぜるとジュースや料理が器から飛び散って、台無しになってしまう。
だから、自分は悪役がのさばる物語は、好かん。

悪役がいなくても時間は過ぎて、天気が変わるように人の心は変わってしまう。
それだけで物語は展開するじゃないか。
そんな風情を脚本にする物語が良い。

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