日本を取り巻く状況がこれ以上悪化しなければ、という条件は未だにつきまといますが、
ブラジルからピアニストのアンドレ・メーマリが来日します。
不肖サンバタウンもこの人の招聘に多少ながら関わった身なので、手前味噌と言われればそれまでなんですが、ワタシはとにかく今、何を差し置いてもこのメーマリさんのピアノの音色が聴きたいと、心の底から渇望しています。
このプロジェクトは、ほぼ一年を費やして準備が進められてきました。
3.11のあまりにつらい震災の影響で、一時は来日が暗礁に乗り上げかかったのも事実です。
ですが彼は放射線と余震の恐怖や家族・友人あるいは行政の反対の声があったであろうにも関わらず、当初の計画を断念することなく、あえて来日を決意してくれました。
ワタシは傍目ながら、招聘プロジェクトが心をひとつにして(アンドレもまたその中の一員であるかのようでした)日本の現状を正確かつ誠実に伝え、彼の安全を心身ともに皆で守ることを強く約束し、ファンの想いを届け続けた各地のスタッフの努力と情熱を見るにつけ、胸が熱くなるのを抑えることができません。
あいにくアンドレが楽しみにしていた満開の桜を見せてあげることは難しいようですが、ワタシたちはそんな彼を最大級の愛と感謝と敬意をもって歓迎しようと思っています。
ワタシはよく想像します。
アンドレ・メーマリという男が実際に我々の目の前で演奏するとき、それは一体どんな音色が耳に届く瞬間なのだろうかと。
やんごとなき天上人がある日突然現れ、ピアノという名の楽器を見つけ、
「・・・これ、触ってみてもいいかな」
そうぽつりと尋ね、
静かにそれを弾き始めたとき。
ワタシはよくそんな情景をイメージしたりします。
熱心に名古屋でのライヴに足を運ばれるお客さんがいみじくもワタシにこんなメッセージを送ってくれました。
「可能ならば “今の日本にはあなたの音が必要だ” とおつたえください。」
いま現在、これほどワタシの気持ちを代弁してくれる言葉が見つかりません。
メーマリさんは来週の始めに日本に到着します。
この人の音楽、そして演奏はブラジル音楽/ラテンアメリカ音楽といった彼岸を遥かに超越したものです。
ジャズ/クラシック/ポピュラーミュージックといったジャンルで色分けすることすらもはや無意味でしょう。
もしあなたが今「美しい音楽」「美しい音色」というものを求めておられたら、迷わずコンサート会場にお越し下さい。
おそらく、これがそうです。
23日(土)の東京公演も残席はごくわずかとなってまいりました。
お席にまだ余裕があるのはおそらく初日の21日(木)の名古屋と最終日の24日(日)、岡山公演の二つでしょう。ですがワタシは、左右の壁面に大理石を配した名古屋トップクラスの音響を誇るホール・名古屋電気文化会館での彼のコンサートを一番楽しみにしています。
少し心配しているのは、ワタシが嗚咽まじりに人前でわんわん泣いたりしゃくり上げたりして、彼の演奏の邪魔になってしまわないだろうかという点くらいでしょうか。
特にClube da Esquina系のレパートリーをやられたときは一層の注意が必要です。その際はお願いですからワタシの方を振り向かないで下さい。
間違いなく一生の記憶に残るであろう時間を、ワタシは今から心待ちにしております。
【アンドレ・メーマリ ピアノソロコンサート2011】
4月21日(木)
名古屋電気文化会館 18:30開場 19:00開演
(愛知県名古屋市中区栄2-2-5 TEL 052-204-1133)
前売3,500円 当日4,000円
(ザ・コンサートホール・メイツ割引有)
チケット扱い:電気文化会館 (TEL 052-204-1133)
イープラス
pianohouse.mmg
(TEL 052-806-3023 pianohouse.mmg@gmail.com)
4月23日(土)
仙川アベニューホール 18:30開場 19:00開演
(東京都調布市仙川町1-25-2
仙川アヴェニューホール北プラザ2F TEL 03-3305-5269)
前売3,500円 当日4,000円
チケット扱い:イープラス
pianohouse.mmg
(TEL 052-806-3023 pianohouse.mmg@gmail.com)
4月24日(日)
岡山城下公会堂 19:30開場 20:00開演
(岡山県岡山市北区天神町10-16城下ビル1F TEL 086-234-5260)
前売4,000円 当日4,500円
チケット扱い:城下公会堂(TEL 086-234-5260 info@saudade-ent.com)
pianohouse.mmg
(TEL 052-806-3023 pianohouse.mmg@gmail.com)
コンディション調整の時間を十分に取り、21日(木)の名古屋公演に備えるとのことです。
取り急ぎご報告まで。
ぜじさんのブログ、毎度楽しく読ませていただいてます。
メーマリさんのピアノ、聴きました。今帰ってきたばかりで
興奮醒めぬうちにとコメントしております。
ピアノには疎い私でしたが、ぜじさんの言葉をいちずに信じて
雨の仙川へ。しっとりとしたムードの中、南米の豊かな自然のブリーズを感じさせる生ピアノのサウンド、堪能できました。すばらしいプレゼント、ありがとうございます!
ところで私は今、友人のカフェの建ち上げを大工で手伝っているんですが、東急多摩川線、鵜の木駅前のこの店、ぜじさんの状況とよく似てまして、まるで共同プロジェクトのようです。工事は今大詰めですが、去年10月から今までの記録を友人がブログに載せておりますので、ぜひご一読を。
http://hasushop.exblog.jp/m2010-10-01/
きっと励みになると思います。お互い頑張りましょうね!
はじめまして。本当に嬉しいコメントに感激しております。
本当ならメーマリさん日本到着後の出来事や名古屋公演のことなどつらつらと記事にしたかったのですが、彼の人柄そして演奏に直接触れるにあたり、あまりに野暮な感じがしまして、終演後までノータッチにしておこうと思っておりました次第です。
お友達のブログ拝見しました。木と土の家は漂ってくるものが共通してますね。
古い柱の感じなんか、もう、そっくりです。
エアコンそばの垂れ壁に張られた針葉樹合板(でしょうか?)も見ててドキドキします。
屋内雨樋のくだりも面白かったです!
しばらくお休みになっていた円頓寺本店の工事進捗状況の記事を書こうという意欲がふつふつと湧いてまいりました。
重ね重ねありがとうございます!