湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

GW・W・MTBツーリング

2017年05月07日 | MTB
 歯医者の待合室から唐突に聞こえて来た覚えのある声。ご無沙汰していたTさんだった。そこで久し振りに轍屋のMTBツーリングどう?と声をかけてもらった。轍屋さんのイベントで思い出されるのは、とにかくそのきつさ。なので少し後ずさる気持ちもあったのだけど、今年は山スキーはちょっと厳しそうだったし、せっかくの機会なので「お願いします」と返事をした。

 はじめて轍屋さんのイベントに参加させてもらったのが2007年GWのMTBツーリング。経験したことのないハードなコースで、朝6時から夕方6時まで必死に皆さんの背中を追った。とにかくきつかったのだけど、忘れがたい1日になった。翌年の2008年はGWのMTBツーリングと、大弛峠を自走で越える夏合宿に参加させて頂いた。2回目のGWのMTBツーリングは、自分にとっては残念な1日になってしまった。転倒やパンクやメカトラ頻発だったこともあるけれど、技術的にも体力的にもあまり良い感じではなかった。途中から雨が降り出し、帰りずぶ濡れになりながら結構惨めな気持ちで家までペダルを漕いだ。

 夏合宿のほうは、これがまたあり得ないくらいきつくて参った。塩山までの自走で充分お腹いっぱいなのに、笹子峠が工事通行止めで笹子トンネルを通らざる得なかったことに納得いかない鏑木店長が、エリート隊は太良峠から水が森林道を経由して大弛峠まで上るという。輪行で大弛峠だけだって充分きついのに、MTBで自走、さらに太良峠~水が森林道経由って・・・。あり得ないと思った。そして翌日の帰宅も自走。店長が先頭でぐいぐい引っ張る。途中小さな坂で繰り広げられるバトル。メーターの平均速度がどんどん上がっていく。きつくてきつくてたまらない。町田あたりまで戻ってきてひとりになったときの開放感。もう足は完全に売り切れ状態で、アベレージをどんどん下げてアパートまでなんとかたどり着いた。

 と、ほんとうにきつい印象ばかりの轍屋さんのイベントなのだけど、だからか充実感もいっぱいだったし、今でも鮮明に記憶に残っている。そしてそれだけでなく、GWのツーリングと夏合宿のあと、僕自身に確かな変化があったのだ。

 それまで僕はMTBに乗り通すことにそんなにこだわりがなかった。押した方が早ければ押すのが当たり前だと思っていたし、だから乗れる坂にたいする認識点が低かった。でも店長やODJさんはここ上れないでしょ?と思うような坂を乗ったまま上っていく。それ以降、自分で勝手に無理だと決めつけるのはやめようと思った。そして実際、あれを機に技術的にひと皮むけたと思うのだ。それから大弛峠~車坂峠~渋峠を越えての直江津は、僕のなかで満足度かなり上位にランクしているのだけど、これももし轍屋さんの夏合宿に参加していなかったら絶対になかった。

 と前置きばかりが長くなってしまうのは、実際僕にとってきつさに見合う強烈な体験として今でもしっかり記憶されているからなのだろう。思い出すと、つい後ずさりしてしまうくらいに。



 前日まで悩んだけれど、自走を選択。車の運転得意じゃないし、帰りの渋滞と車に積むあれこれを考ると、自走のほうが速いと判断。1日あの山のまわりで遊ばせて頂きます。



 例年に比べてゆるめとはいえ、55kmで1900mアップ。朝比奈峠以外の峠は2年以上ご無沙汰だし、100km以上乗るのも3年振りくらいなのでかなりビクビクしていた。想定外にすでに左の股関節が痛い。今まで自転車でこんな痛み感じたことなかったのに。



 そんな不安心配もあったのだけど、走りはじめたら自分でも想像できなかったくらいの気持ち良さを感じて嬉しくなってしまった。



 土の道はもちろん、舗装林道ですらものすごく気持ち良く感じられるのが嬉しかった。こんななか走るのほんとうに久し振りだものなぁ。やはり近場の自然とはちょっと違うわ。



 序盤はダート林道も、



 山道も短めのものをいくつか繋ぐ感じ。でもこれがめっぽう爽快で、面白い。



 去年乗れなかった分、今シーズンは結構MTB楽しんだはずなのに、近場で味わっていたのとはまた別のMTBの楽しさを感じていた。快感を刺激する変な汁が絶対に脳内に出ていたと思う。

 きつめの舗装林道を走り、



 激坂上り。以前だったら絶対に無理だと感じた勾配。残念ながらあと少しのところで足ついてしまったけれど、結構上まで上れた。ただ僕の後ろの人をブロックしてしまったのが申しわけなかった。きっと後ろの人は、僕の足つきがなかったら、最後まで上り切っていたと思う。



 ダート林道を走り、沢近くでひと息。ダート林道に水たまりと、水たまり乾きかけのぬかるみがあった以外は、ドライですごく走りやすい。



 ダート林道もかなり高速。これがまた気持ち良い。ほんとうに声かけてもらって、参加させてもらって良かった。

 今年は足のあるメンバーが多くて、運動はロードでの通勤オンリー、MTBは職場に置きっぱなしで年に1回このツーリングでだけ乗るというTさんは、「去年の5倍はきつい!」と連呼されていたけれど、年に1回しかMTB乗らないのに「怖い」と言いながらほとんどの下りをクリアして、上りだって1900アップをこなしてしまうのって相当すごいと思いますよ。確かに引き回しの刑に近いものはあったかもしれませんが。。。

 展望台での長めの休憩のあと、コンビニ飯。その後きついコースともっときついコースを走るチームに分かれたのだけど、ここからがきつかった。嫌がらせかのようなくねくねした激坂を上り切ったあと、さらなる勾配の激坂。ここは舗装だけれど、以前参加させてもらったときは足つきなしで上り切れた人は少なかったはず。今年は確かに路面コンディション良かったけれど、前を行くレースのようなスピードの3人は足つきなしでぐいぐい上っていく。僕もなんとか足つきなしで上り切ったけど、全然余裕な感じの3人の待つ場所に到着したときはもうヘロヘロ状態だった。あとから知ったのだけど、エリートだったり全日本だったり、レースで活躍されている方たち。そりゃ、全然違うわけですわ。ひとり参加されてた女性も、ホント強くてうまくてすごいと思っていたら、やはり全日本レベルの方だった。いやいや、轍屋さんのイベントはだから恐ろしい。

 余裕な3人はそこからかっとんでいってしまった(のぼり)。そこからは5人で頑張った。うち2人は18歳。自転車って体力があれば乗れるってわけじゃないだけに、MTBでこんなに走れちゃうってすごいと思った。いやいや、きつかった。両太腿ぴくぴくしだすくらい。でも、このきつい区間も含めてとても楽しかった。

 そんなきつい上りのあとはご褒美の山道の高速ダウンヒル。ケガだけはしないように慎重にといつも思っているのだけど、この日は自分比かなり高速でダウンヒルを楽しんだ。とにかく路面コンディションが良かったこともあり、ジャンプを交えながらの下りは快感以外の何物でもなかった。



 その後分かれたチームと合流して、最後の担ぎ、そしてダウンヒルへ。梨絵さん(後半から参加)とご一緒させてもらうのははじめて。あらためて考えると、オリンピック選手と一緒にスポーツするなんてはじめてのことだ。

 最後の担ぎは結構長かった記憶があるのだけど、思ったほどではなかった。そのあとの下り。2回目に参加させてもらったときに、確か派手に前転、そしてパンクしてるはず。でも今回は楽しく、気持ち良く下れた。いやぁほんとうに楽しい。そして最後の短い山道も変化とスリルあって楽しかった。このあと舗装路に出て少しのところで、皆さんに挨拶して僕は途中離脱。

 自走も含めれば久し振りの長い距離の自転車、それもMTBでということで、もちろんきつくもあったのだけど、多分1日中にこにこしていたと思う。きつかった時間も。声かけてもらったときは、山スキーとの迷いも少しあったのだけど、こちらにして大正解でした。Tさん、ホント誘ってもらってありがとうございました。そして1日一緒に遊んで頂いた轍屋の皆さんありがとうございました。

 帰路の自走も、とりあえず普通には走れた。そして、結構がっつり補給してたので心置きなくとまではいかなったけれど、



 いつもより後ろめたさ少なく、豚が売り切れだったので“小汁なし、麺固め、麺量久々に少なめでなく普通”。麺の量が普通だとやっぱりボリュームあるなと思ったのだけど、こんなにアッサリなんていつ以来かと思うくらいペロリと完食。最後のお山はたいしたことなかった。自転車のほうもこんな感じだといいんですが。。。

 本日の走行距離121km。久し振りにがっつり楽しめて満足。そして、一応まだこれくらいは走れるということがわかって少し安心した。そんな充足感とともにシャワー浴びる前に体重計に乗ってみれば、いつもより2kg増。走行中の補給も含めて結構食ったもんなぁ。自転車も、食いもがっつりな1日でございました。