猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

プレゼント

2005年10月28日 23時47分15秒 | 日記
まず最初に.....。
皆さん、このたびは本当にたくさんのお祝いメッセージをありがとうございました。

ここで暖かいお言葉を下さった皆様、自らのログで私達の入籍について書いてくださり、美しい花まで贈ってくださったt-cat様、また電話・メールを下さった先輩・友人たち、花束を贈って下さったHくん(女性なのに<くん>づけで呼んでごめんよ)、この場を借りて心よりお礼を申し上げます。
本当に、本当にありがとうございました!
そして...どうぞこれからも二人と二匹をよろしくお願い致します!


さて。ここからまた通常のログに戻るが.....。
「入籍」という人生のビッグイベントがあった昨日は私の誕生日。
とはいえ、入籍の手続きやその他の雑事、オーディションやらに追われ、まったく普通に過ごしてたわけだが、実はその間にも、仕事から帰ったゴンザより、とっても嬉しいプレゼントを頂いていた。

しかしそのプレゼントのことを書く前に、私には、二人の神と、二人の女神がいることを説明しておかねばなるまい。
その神とは.....。
一人がエミール・ガレ。一人がアルフォンソ・ミュシャ。
女神のほうは、一人がマリリン・モンロー。
そして、もう一人がコスチュームジュエリーの先駆者、ミリアム・ハスケルである!のだが.....。
このほど、私がゴンザに貰ったのが、そのミリアム・ハスケルのチョーカー。

これを持つことは.....私の夢だった。

ミリアム・ハスケルのコスチュームジュエリーと私が初めて出会ったのは、数年前。
その日、ゴンザと私はみなとみらいにある展示ホールで骨董市が開かれるのを知り、冷やかし程度のつもりで出かけて行ったのだった。

広い展示ホールで開かれたそれは、「数十店が全国から集まって」という触れ込みで開催されてはいたが、その実、ガラクタがほとんどを占め、それでもそこに高い値がつき、善男善女が適当に騙されている光景がそこここに見られたものだった。
特に、工房のものですらない、遠目に見てさえ、はっきりそうとわかるガレの酷い偽物を、「これは美術館に置いてあるものとまったく同じものです」などと偽っては、何も知らないオッサンオバサンに売りつけようとしている業者には、我々は眉をひそめながらも、苦笑しつつ、早々にその骨董市を立ち去るつもりだったものである。
しかし.....。
あるショーケースの前で、私は雷に打たれたような衝撃を受けて、思わず立ち止まった。
周囲に並べてあるものとは、明らかに違う光を放つ、オーラに包まれた物体。

それこそが、ミリアム・ハスケルのアクセサリーだったのである。

それは、銀色とも、シャンパン色ともとれる、強く妖しく艶かしい色と、儚げな繊細さを極めた緻密な細工、という、対極の美で構成されていた。
頽廃的で優美、強く儚げ、夢見心地の艶かしさ。
私は、それが収められたショーケースに吸い寄せられるように歩いてゆき、一瞬にして恋におちた。

それからというものの、アンティークアクセサリーを見るたびにミリアム・ハスケルのものを探し求める日々が始まった。
ミリアム・ハスケルのことを調べるうちに、コスチュームジュエリー(人造石で出来たアクセサリー)の創始者が彼女であることも知った。
彼女が作ったバロック真珠(不揃いな形の人工真珠)が、「本物より美しい」と言われていることも、その塗料が、日本で太刀魚の鱗を集めて作られたものだということも.....。
同時にネット上でその作品を検索しては、その美しさと値段にため息をつき、さらに憧れを深めてもいった。
ああ、こんな美しいものがこの世にあるなんて......と。

そして、ついに昨年。
ゴンザから第一号のミリアム・ハスケルをプレゼントされたのである。
それは、私が憧れてやまないバロックのものではなかったが、もう少し汎用性の高そうな、象牙風+ターコイズ風のブレスレットだった。
しかし、貰ったはいいものの、もったいなくて畏れ多くて滅多に身につけず、もっぱら眺める一方で(笑)
決して手の届かない値段ではないものの、集めだしたら止まらなくなりそうで、自分でその他のものを買うこともなく...。

だから、まさかまた、ゴンザに贈られるとは思っていなかった。
この美しい、奇跡の人工物が私の手元にくるとは思っていなかった。
昨日、これを受け取ってから、何度うっとりと眺め、喜びと感嘆のため息をついたことだろう。

ちなみに、ゴンザがこれを買ったショップの方は、彼が昨年もそこでハスケルを買ったのを覚えていて、「奥様はお幸せな方ですね」と、言ったそうだが.....。
どうか、皆さんも機会があったらミリアム・ハスケルの作品を見て欲しい。
美の解釈は人それぞれだとは思うが、かのグレタ・ガルボらが、こぞってその身をハスケルの作品で飾った理由がきっとわかると思うから。
天才だけが作り出すことの出来る、「悪趣味寸前の、究極の趣味の良さ」の奇跡を。

ゴンザ、ありがとう!
ショップの方の言うとおり、本当に私は幸せ者です。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うんうん、イメージです! (t-cat)
2005-10-29 17:42:16
erima様のイメージにぴったり合うジュエリー、

なのですよね。

このジュエリーを贈られる方、ああ、どんな方なのかしら。

また、ちゃんとerima様の趣味を熟知して

その場に相応しいひと品を選べるゴンザ様、

もう、パートナーとしてこの上ない方!



ジュエリーのきらめきが心なしか

温かくぬくもりをもって輝いているように見えますよー!
返信する
私は貧相ですよぅ(笑) (erima)
2005-10-29 22:48:23
t-cat様



人は自分にないものを追い求めるものです。

ですから、貧相な私は、このハスケルを愛するわけで(笑)



実際、この日本でこれだけゴージャス感のあるものは、

なかなかつける機会がないですね。

私が頂いたものは、これでも控えめな部類のデザイン

だとは思いますけど、それでも.....ね。



まあ、それでも、昔はそんなの全然気にせず、

大きなアクセサリーも、派手な服も身につけていた

ものですが、おばさんになった今、それをしたら、

まるで和泉節子か細木数子、はたまた叶姉妹に

なっちゃいますもんねぇ(え?細木と叶は同類?笑)

クリスマスあたり、これを着けて出かけられたら

嬉しいですけど。



ゴンザにはホント、感謝してもし足りないくらい

ですけど、彼とは不思議なほど嗜好が似てるんです。

美術館に行っても惹かれるものは同じですし、

彼自身ももハスケルを見て、ため息をつく、という次第で。

ゆいいつ、ちょっと趣味が分かれるところとしては、

彼がフリーダ・カーロの絵を愛するのに対して、

私はそれほどでもないってところですかねぇ。



t-cat様の「至上の美」はなんですか?

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