夕螺の一言日記

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2015年 5月 8日(金)「物価が騰がるだけでデフレから脱却できるか」

2015年05月08日 22時23分14秒 | 「政治・経済」
物価が騰がるだけでデフレからの脱却ができるか?
物価が下り続ければデフレだから物価が騰がればデフレから脱却ができる。
何となく納得をしてしまうのだが、本当に物価が騰がればデフレから脱却できるのだろうか?
「物価が騰がれば」という中身が問題でしょう。どのように過程を経て物価が騰がったのかが一つの視点となる。
物価の上昇とは、商品価値と使用価値(価格)の乖離の拡大にある。商品価値は社会全体の生産性が騰がることにより下落していく。生産性の向上とは同じ労働力量でより多くの商品を生産することであるからである。一つの商品に必要な労働力量の減少が商品価値を下落させるのである。
一方では生産性の向上は価値が下落しつつもその使用価値を高めることもある。
同じ価値であっても商品の有用価値を高める。商品の品質が向上したり機能性が向上したりする。するとその商品の消費を増やすでしょう。消費の拡大からその商品の価格は上昇をする。
その商品の価値に変化がなくても使用価値の高まりからの消費の拡大により価格は騰貴する。ここに商品の価値と使用価値(価格)の乖離が拡大していく。これが社会全体で起こったならばそれが物価の上昇となる。
本来物価の上昇には貨幣量は関係ないのである。
しかし消費=国民の懐にある貨幣量ですから、消費には限界が出ます。
一定程度物価が上昇すれば消費は少なくなります。このとき国民はほしいものがたくさんあるが消費はできないという矛盾に陥ります。この現象を勘違いして商品市場に貨幣量が足りないと日銀が貨幣を大量に発行するならば、それは貨幣価値の低下を招くだけでこの低下をした貨幣が市場に出回ることによって価格が表示されるようになる。ここにインフレという経済矛盾が現れる。
日銀は引き締めを行う。一気に物価は下落傾向を示す。消費はインフレに耐えられなくなって現象をしていく。消費の縮小は商品の過剰を引き起こして価格は下落していくでしょう。一度膨らんでしまったインフレでの価格から一気に下落していく。商品の価格は下がり続けていくでしょう。この現象がデフレと言われる。
ここでもまた商品が売れないのは貨幣量が足りないからだとして貨幣量を増やすならデフレ下の物価上昇という異常な状態となる。価値の下った貨幣が市場に出回る。この状態がアベノミクスでしょう。価値低下をした貨幣をばらまいて物価の上昇につながげようとする。これは商品価値から見ればただ単に貨幣量の問題であってその価値には変化はない。インフレ時のような商品生産の拡大もないわけだからその総商品量から見ても生産される価値量には変化はない。貨幣価値の変化だけの物価上昇はあってもその中での価格の変化だけであることによるデフレは解消はされない。
よって物価が騰がるだけではデフレからは脱却できないのである。経済矛盾の解決は貨幣量によってでは解決しない。

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