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検証・民進分裂⑤

検証・民進党分裂

解党し再編・前原の執念

「民主党をリセットし、新たな旗のもとに集まった方がよかった」

 衆院解散報道が出る前の8月半ば、民主党代表選に挑む決意を固めていた前原誠司は、昨年の民進党結成時を振り返って、野党再編への執念を周囲に語った。

 民進は、民主を母体に、維新の党の議員らが合流する形で再出発していた。前原は旧民主党政権の負のイメージは払拭しがたいと考えていた。

15年にも、民主と維新を解党した上で新たな結集を図る道を細野や維新にいた江田憲司と画策し、当時の民主代表、岡田克也と幹事長の枝野幸男に封じられた過去があった。

 代表選は都議選で都民フアーストに大敗を喫した蓮舫代表の辞任にともなうものだった。

共産党を含む野党共闘の継続を訴える枝野に対して、前原は見直しを主張。次の衆院選を見据えて、小池との連携に期待を抱く議員らが前原を代表の座に押し上げた。9月初めに代表の座に着いた前原は枝野を執行部に起用した。

記者会見では、野党共闘に慎重な姿勢を示しつつ、「代表は独裁者ではないので、執行部の中で議論していきたい」とも述べた。ところが周辺には、『共産党と組んだら死んでも死にきれない』と話していた。

前原の地元京都は、1970年代半ばまで革新府政が7期28年続いた共産の牙城。

共産としのぎを削る政治家人生を歩んできた。外交・安全保障をライフワークとしてきた自負もある。日米安保条約の破棄を唱える共産との連携は避けたかった。党役員室長に登用した小川淳也からは、『共産を含めていまの野党が一本化し、安倍政権を迎え撃つのがオーソドックスだと思います』と進言された。

だが前原の視野に在ったのは細野や若狭の先にいる小池だった。

政界再編論者で民進党を離れていた衆院議員の長島昭久には『何のために代表になっているのかわかっている』と言い、かつての政界再編の立役者、自由党代表の小沢一郎には『最後の民進党の代表になります』と決意を語っていた。

 民進分裂により思い通りの再編が叶わず前原は今党内外から『戦犯』と指摘されている。それでも今月16日に出演したBS番組では、こう強調した『私は一貫してこの判断は間違ってはいない、この判断しかなかったと、今でも思っていますよ。それは強い確信です』 続く


 

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