日々の感じた事をつづる
永人のひとごころ
祈念公園に・・・③
祈念公園に・・・③
私と女房はどうですか?
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「名前を変える前と、後では違いがありました か」
『一般的にそうですが私も水と油のような全く意味合いの違う形に変化しましたよ。実は皆さんね、結婚で姓が変わりますね。そうすると性格は姓の下の文字と名の上の文字の合計した数の一の』位の数で決まりますから独身時代から変化します。
この変化が性格の不一致をもたらして離婚へ進展します。大恋愛で一緒になっても姓が変わって性格も価値観も変わり相性が悪くなってしまうんです』
「じゃ、おれたちはどうですか中沢征夫と優子で?」
『あなたは5の性格、奥さんは4の性格、相性吉のウマが合う組み合わせですよ』
「ああ、よかった」
『ついでに言わせてもらうと、性格よりも大事な事ですが、二人とも運勢は最悪ですね。これから先、ともに長生きしないし出来ない組み合わせになっていますよ』
「それは・・・じゃ後で連絡するけど、ぜひ妻にも説明を聞かせてください」と言い、彼は自分の席へ戻って行った。
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同期会名簿に目を通したところ、すでに32名程亡くなっている。その中には、直接「名の文字をを変えるように説得した相手」も3名居た。
「いやあ、今、“高橋としみ”さんが自分でガンだと言ってね。そのようには見えないんだけれど、どうなんだろうね」と中沢君が再びやってきて言う。名簿を見た。
“高橋としみ”から結婚で“大場としみ”に代わっている。
『高橋としみは完全大吉名で運気100点、
大場としみは大凶名短命運の運気20点、
残念ながら、これから先いいところ1年かな、
彼女にとって今夜が皆さんとのお別れ会になるんじゃないのかな、私はそう思いますけどね』
「名前の字を変えてもダメですか?」
『医者がだめだと言った患者さんも字を変えれば大丈夫だと私が思って変えた患者さんが元気になった例はいくつかあるし、それを見て医者自身も私のところで名の字を変えた事はあるが、彼女(大場としみ)の場合は、すでに寿命は尽きています』
「そういう風にズバリ言うんですか」
『そうです。ズバリ言い過ぎて、質問者に良く思われていないのでは?と思っています』
続く