一日早く嘘を申し上げているのではありません。これが夢なら醒めてほしいのだけれども、それは夢にしかすぎないのでしょうか。
ある春のうららか日のことです。
私は街角から流れる匂いにさそわれて、ふらりとある中華料理店ののれんをくぐっていました。個人経営のお店らしく小さなカウンターがあるのみの、素朴な中華料理店。たいがいこういうお店は、店内の油っぽさがその歴史を語っているものですが、フランチャイズレストランのように、きわめて清潔なところだったのですね。
メニューのうちのいったい何を注文したのかさだかではなく、私の視線は店の奥に流れていきました。そこには黒髪を結い上げた若い女性がいらっしゃるではありませんか。法隆寺にある百済観音さまにも似たあの顔を見忘れるはずがありません。「もしもし、貴女はもしや、かの有名な…」と、その後ろ姿に呼びかけてしまう私。彼女は振り向いて一礼しますと、「次の世界選手権ではがんばります」と控えめに笑って去って行ったのです。
さてもふしぎな巡り合わせもあるものよ、有名人と言葉を交わしたこともない自分がこんなところであの氷上界のスターと出会うなどと、感慨もひとしおで席に戻りますと、ふと左手のカウンター席でさもうまそうにチャーシューメンをすすっていらっしゃる男性と目が合ったのですね。あれ、あの独特のヘアスタイルと色気のある風貌、どこかで見かけた顔だと思いつつ眺めていますと、奥からラーメン店のおかみさんが出ていらっしゃいました。そこで私の記憶はぷっつりと途切れたのですね。三月三十一日、本日の朝の枕辺のことでした。
なぜラーメン店(焼肉店じゃ駄目なのか?(笑))で浅田真央選手と高橋大輔選手に会ったのかはよくわかりませんが、夢のなかに身近ではない人が出てくるというのははじめてでしたので、いささか驚きました。私の脳内は、そんなにフィギュアスケートのゆくえで占められていうわけではないんですけれど、現状であまり応援できないので夢に現れてくれたのでしょうか。次回はオールスター共演でお願いしたいですね。
***
さて、フィギュアスケート世界選手権2012レポートの第二弾。男子シングルの開幕ですが、予想どおりというべきか、SPのトップを握ったのはカナダのパトリック・チャン選手なのでした。
日本人男子のエース、高橋大輔選手は果敢に四回転ー三回転の連続ジャンプにチャレンジ。成功すれば大きな加点が望めますが、三回転の方が乱れたのが響いてか85.72点で三位からのスタート。
十七歳で初出場となる羽生結弦選手は、得意の四回転を成功させたものの、その後のミスをカバーできず77.07点で七位にとどまっています。連続ジャンプで予定して三回転を二回転にしてしまったことで、緊張感がとぎれてしまったとは本人の弁。単発のジャンプは飛べてしまうけれど、総合的な構成力と土壇場に強い気持ちの切り替えというのが、成長の条件なのでしょうかね。身につまされる話ではありますが。
少し心配なのは、小塚崇彦選手なんですよね。昨年の世界選手権では銀メダル(世界フィギュアスケート選手権2011 二日目)にかがやき、日本のエース新旧交代かとも騒がれたのですが、今季はいまいち不調をかかえているのでしょうか。二度の転倒があって71.78点での十三位と表彰台からも大きく遠のいてしまいました。技術量はたしかにあるのですが、あまりあのプログラムがあっていないのでは、という気もします。誰にでも不安定なときはあります。結果はどうあれ、次に繋がる納得のいく滑りをご本人も模索されているところなのでしょうね。昨年は六位からの大逆転準優勝を果たしたのですから、奇跡をもういちど期待してもいいのでは。
【参考サイト】
フィギュアスケートYoutube-動画Blog
スポーツナビ フィギュアスケート
フジテレビ 世界フィギュアスケート選手権特集
【過去のフィギュアスケート記事一覧】
ある春のうららか日のことです。
私は街角から流れる匂いにさそわれて、ふらりとある中華料理店ののれんをくぐっていました。個人経営のお店らしく小さなカウンターがあるのみの、素朴な中華料理店。たいがいこういうお店は、店内の油っぽさがその歴史を語っているものですが、フランチャイズレストランのように、きわめて清潔なところだったのですね。
メニューのうちのいったい何を注文したのかさだかではなく、私の視線は店の奥に流れていきました。そこには黒髪を結い上げた若い女性がいらっしゃるではありませんか。法隆寺にある百済観音さまにも似たあの顔を見忘れるはずがありません。「もしもし、貴女はもしや、かの有名な…」と、その後ろ姿に呼びかけてしまう私。彼女は振り向いて一礼しますと、「次の世界選手権ではがんばります」と控えめに笑って去って行ったのです。
さてもふしぎな巡り合わせもあるものよ、有名人と言葉を交わしたこともない自分がこんなところであの氷上界のスターと出会うなどと、感慨もひとしおで席に戻りますと、ふと左手のカウンター席でさもうまそうにチャーシューメンをすすっていらっしゃる男性と目が合ったのですね。あれ、あの独特のヘアスタイルと色気のある風貌、どこかで見かけた顔だと思いつつ眺めていますと、奥からラーメン店のおかみさんが出ていらっしゃいました。そこで私の記憶はぷっつりと途切れたのですね。三月三十一日、本日の朝の枕辺のことでした。
なぜラーメン店(焼肉店じゃ駄目なのか?(笑))で浅田真央選手と高橋大輔選手に会ったのかはよくわかりませんが、夢のなかに身近ではない人が出てくるというのははじめてでしたので、いささか驚きました。私の脳内は、そんなにフィギュアスケートのゆくえで占められていうわけではないんですけれど、現状であまり応援できないので夢に現れてくれたのでしょうか。次回はオールスター共演でお願いしたいですね。
***
さて、フィギュアスケート世界選手権2012レポートの第二弾。男子シングルの開幕ですが、予想どおりというべきか、SPのトップを握ったのはカナダのパトリック・チャン選手なのでした。
日本人男子のエース、高橋大輔選手は果敢に四回転ー三回転の連続ジャンプにチャレンジ。成功すれば大きな加点が望めますが、三回転の方が乱れたのが響いてか85.72点で三位からのスタート。
十七歳で初出場となる羽生結弦選手は、得意の四回転を成功させたものの、その後のミスをカバーできず77.07点で七位にとどまっています。連続ジャンプで予定して三回転を二回転にしてしまったことで、緊張感がとぎれてしまったとは本人の弁。単発のジャンプは飛べてしまうけれど、総合的な構成力と土壇場に強い気持ちの切り替えというのが、成長の条件なのでしょうかね。身につまされる話ではありますが。
少し心配なのは、小塚崇彦選手なんですよね。昨年の世界選手権では銀メダル(世界フィギュアスケート選手権2011 二日目)にかがやき、日本のエース新旧交代かとも騒がれたのですが、今季はいまいち不調をかかえているのでしょうか。二度の転倒があって71.78点での十三位と表彰台からも大きく遠のいてしまいました。技術量はたしかにあるのですが、あまりあのプログラムがあっていないのでは、という気もします。誰にでも不安定なときはあります。結果はどうあれ、次に繋がる納得のいく滑りをご本人も模索されているところなのでしょうね。昨年は六位からの大逆転準優勝を果たしたのですから、奇跡をもういちど期待してもいいのでは。
【参考サイト】
フィギュアスケートYoutube-動画Blog
スポーツナビ フィギュアスケート
フジテレビ 世界フィギュアスケート選手権特集
【過去のフィギュアスケート記事一覧】