陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ボルケーノ」

2014-09-01 | 映画──SF・アクション・戦争
1997年の映画「ボルケーノ」(原題 : Volcano)は、ロサンゼルスを襲った溶岩流の恐怖と、職種を超えてそれに立ち向かう人びとを描く一作。不慮の災害によって、不和な親子夫婦が絆を取り戻し、名も知らぬ者どうしが協力し合いながら、最後には危機をに乗り切ってしまうという、よくある予定調和のパニック映画の筋書き。
ただし、自分だけが助かりたいあまりに利己的な行動に走ってしまう人はほぼ皆無に等しいので、それなりに気持ちよく観れます。細部の粗に目をつぶれば。

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ある朝、ロサンゼルスの街を中規模地震が襲う。さいわいにも地上での被害はすくなく、すぐに異変を疑う者はいなかった。
しかし、当時、地下で工事中の作業員が異常な火傷を負って発見された。地震でスチーム管の破裂による事故だと片づけられたが、カリフォルニア州緊急事態管理局局長のマイク・ロークは焼け焦げた遺体からそれが蒸気によるものではないと推測。
調査を依頼した地質学博士のエイミー・バーンズは、地下で火山活動が活性化しているのだと主張する。

やがてバーンズ博士の推測どおりに、ロサンゼルス全市が停電。地下からのマグマがマンホールから一気に噴出。道路にはおびただしい溶岩が流れ出し、街中が火の海に…。

中心となるのは、局長ロークがバーンズ博士と組んだ救助活動。
大型車を積み重ね、道路のコンクリートブロックを剥がして溶岩の流れを塞き止め大量の放水でいっきょに冷却させる策を思いつきます。それが奏功して喜びもつかのま。なんと溶岩は地下鉄のトンネルづたいに巨大ショッピングモールや病院のある方へと進路を変更していました。

ロークには離婚した妻にあずけていた反抗期の娘ケリーがいて、災害活動に勤しむあまり愛情をかけてくれない彼女はすねてばかり。しかし、被害者を搬送する女医のジェイに付き添ううちに、自分が救われるのを待つだけの被害者ではなく、まだ多くの人を救わねばならない救助者になるべきだとの自覚が芽生えます。

溶岩で立ち往生した地下鉄の乗員乗客をすくうべく果敢にも危険な救助に挑んだ駅員たち、そして白人警官につっかかっていた黒人の男性が気持ちを入れかえて協力してくれるところなどは、お仕着せの展開とはいえ、やはりこころに血の通った人間どうしなのだと気づかされます。
当初は人災ともいうべき地下鉄管理者の不理解などによって被害が膨らむかにみえましたが、映画のように信じられないことがおこってしまうのが現実。

ラストはあわやというところで、溶岩を太平洋へと誘導し流れ込ませるロークの発案が成功し、事なきを得ます。
CGがあまりによくできているので臨場感がありますが、雲仙普賢岳のすさまじい勢いで流れてきた火砕流の映像を知っている方には、若干、溶岩の流れが鈍く感じられるかもしれませんね。

監督は「ボディガード」のミック・ジャクソン。
出演は「JFK」「逃亡者」の助演で有名、サントリー缶コーヒーBOSSレインボーマウンテンのCMでおなじみのトミー・リー・ジョーンズ、「フェイク」のアン・ヘッシュ。

(2010年8月29日)

ボルケーノ - goo 映画

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