陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ガープの世界」

2011-10-26 | 映画──社会派・青春・恋愛
噂に聞いていたのでいつか観るのを楽しみにしていた、1982年の映画「ガープの世界」
しかしながら、私にはイマイチな作品でした。主演のロビン・ウィリアムズは好きなんですけど、「レナードの朝」みたいな優しいお髭のおじさんの印象が強いせいか、二十代の青年から演じたのがどうも無理があったというべきか。
原作はジョン・アーヴィングの半自伝的小説。

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子供は欲しいけど、結婚したくなかった看護婦のジェニーは、瀕死の軍曹から子種をもらって出産。生まれた息子を、T. S. ガープと名づけた。
レスリングに親しみ、初恋も経験したガープは、好きな女の子のために小説家になる決心をする。だが、彼の書いた小説よりも母の売り出した自伝のほうがバカ売れ。母のジェニーはウーマンリブ運動の旗印に担ぎ出され、一躍有名人に…。

この映画、女性陣の個性が半端なく強いです。
男遊びはしないけれど、性のことについてあからさまな物言いをするガープの母親。大学講師の妻ヘレンは、息子をふたりももうけながらも、学生と不倫に走ってしまう。
頼もしいのは、フットボール選手から性転換して女になったロバータ。
しかし、一番恐いのは、近所に住んでいた幼なじみの眼鏡ッ子のプー。彼女は、ここぞというときにガープの邪魔をし、最後にとんでもないことをしてくれます。

とにかく、脈絡もなく悲劇と喜劇がごちゃまぜに押し寄せてくる。そのため、泣き所のはずのところで笑ってしまわざるを得ないのです。

けっきょく、このガープ、というか原作者のジョン・アーヴィングは、過激な女性解放運動への異議申し立てをしたかったのでしょうか。
たしかに、自分の母親の葬儀なのに、女性だけしか参加を認められないなんて酷いと思いますし。妻が浮気して、さらにそのせいで息子たちが死傷しても、母のジェニーが妻の方に肩を持つというのもどうも…。

これは、一本の映画にするよりも、毎回一度は大事件のおきる週間ドラマにしたほうがおもしろい話ですよね。
飛行機が突っ込んだ家を買ったガープの楽天家ぶりには惹かれますが、周囲のアクの強さに食われていってしまった気がします。
あと、作家が自伝めいて書いたものは、やはり好きじゃないですね。

「ホテル・ニューハンプシャー」なみに、ドタバタといろいろなことが続いていくのですが、主演がもっと若かったらと良かったかも。

監督は「明日に向かって撃て!」のジョージ・ロイ・ヒル。


ガープの世界(1982) - goo 映画

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